アスペルガー症候群もADHDもロジカルシンキングで後天的にコミュニケーション能力を身につけられる理由
私はアスペルガー症候群の傾向が強く人と話すことがずっと苦手でした。あまり人と話さないように意識して生きていました。
しかし、ロジカルシンキングなるものを勉強してからある程度コミュニケーションができるようになりました。アスペルガー症候群もADHDもロジカルシンキングで後天的にコミュニケーション能力を身につけられるかもと思った理由をお伝えします。
ロジカルシンキングが大事だとわかった経緯
私はコミュニケーション力がない人間で、ベンチャー企業で徹底的にロジカルシンキングを叩き込まれました。
そのおかげで、ある程度は普通にコミュニケーションが取れるようになったと自分では思っています。
いまだに「何の話をしているんだろう?」と自分で話のテーマがわからなくなることはあるけど、会社経営者として生活が成り立つくらいには会話ができるようになりました。
ロジカルシンキングを学ぶと、自分の思考と会話が飛んでいる理由が理解できるようになるので、気をつけて会話ができるようになるんですよね。
そんな経緯もあってロジカルシンキングがコミュ力に重要だと思った理由次第です。アスペルガー症候群やADHDなどの発達障害の人にも効果的だと思っています。
質問には意図があることに気づける
ロジカルシンキングを学んで大事だなと思ったのは、質問には意図があるということがわかったことです。質問には意図があることに気づけると会話がスムーズにできるようになります。
それまでの私は質問の意図なんて考えもせずに、自分の頭に浮かんだことをそのまま伝えていました。
それが質問の意図に合っているものだと思っていたので、質問の意図なんて考えもしなかったし、気づいてもいませんでした。
私の解釈のイメージとしては、今までは的がわからずにボールを投げていたのですが、本当は的があってそこにボールを投げないといけないのがわかった感じです。
会話にはテーマがあることに気づける
質問には意図があることに気づいていないくらいですから、会話にはテーマがあることにも気づいていませんでした。
それまでの私は会話にはテーマがあることなんて知らずに、自分の頭に浮かんだことをそのまま話しているわけです。
しかも私の場合は思考が飛ぶし、自分の中では関連性があるけど人からすると関連性がない話をしているわけだから何のテーマの会話をしているかもわからなくなるわけです。
私の解釈のイメージとしては、会話のテーマってバリアのある丸で、そのバリアのある丸の中で話をしなければいけないわけです。このように、会話にはコミュニケーションが取れない人って
「質問には意図がある」
「会話にはテーマがある」
という初歩的なことに気づいていないのです。ロジカルシンキングを学ぶとこの初歩を学ぶことができるのです。これが人から指摘されると気づけないんだよな。意外と論理的であることを口で説明するのは難しいんですよね。
質問の意図に合った回答をしなければいけないことがわかる
「質問には意図がある」ことに気づくと、質問の意図に合った回答をしなければいけないことがわかります。
ボールは的に向かって投げないといけないことがわかり、その的の中にボールを入れることの重要性がわかった感じです。
ロジカルシンキングを勉強して的の位置はなんとなくわかるようになったのですが、いまだに具体的な的の位置はわからないですが。なので、私は
「質問の意図は何だろう?」
「どうやって回答すれば質問には意図に合うだろう?」
と常に考えるようにしています。そして、なるべく思考が飛ばないようにちゃんと話を聞いて質問の意図を理解することの集中するようにしています。
仕事の打ち合わせや会議は常に集中してようやく人並みなので、ものすごい疲れますがね。ビジネスはある程度論理的なので質問の意図にも答えられるようになります。
「質問の意図がわからない人が質問の意図を理解して上手に答えられるようになるための考え方」も参考にしてください。
会話のテーマから外れた話をしてはいけないことがわかる
「会話にはテーマがある」ことに気づくと、会話のテーマに沿った話をしなければいけないことがわかります。それよりも、会話のテーマから外れた話をしてはいけないと感じかな。
そもそも私の場合は、会話のテーマに沿うこと自体がわからないのですから、いかに会話のテーマから外れないようにするかを意識したほうが効果的なのです。
「バリアのある丸からいかに出ないようにするか」というようなイメージを持つことが大切です。普通の人はこのバリアの中で会話ができるのですが、バリアを勝手に壊して外に出てしまうから会話がうまくいかないわけです。
また、私の場合は思考が勝手に飛んでしまうことが多いので、話のテーマがあちこちへ飛んでしまいがちです。なので、いかに会話のテーマを飛ばさないようにするかを意識しています。常に、
「会話のテーマは何だろう?」
「思考を飛ばさないようにしよう!」
と考えるようにして会話をしているわけです。ここまで考えてもテーマが飛んでしまうことがあるので、あれこれ考えないようにして思考を飛ばさないことも大事です。
「テーマは1つ!会話が飛んで何を話しているかわからないと言われる人は会話のテーマや意図を意識しよう」も参考にしてください。
会話のテーマは1つにするべきことがわかる
ロジカルシンキングを学ぶと会話のテーマというものを強く意識するようになります。すると、今まで自分が複数のテーマを同時にあれこれ話していたことに気づきます。
でも、複数のテーマがあると話を聞いている方が混乱してしまうので、会話のテーマは1つにすることでわかりやすく話せるようになります。1つのテーマが終われば、次のテーマに行く感じです。
MECEとピラミッド構造で論理的な会話構造が作れるようになる
ロジカルシンキングで大事なのはMECEとピラミッド構造です。
MECEとは漏れなく重複なくという考え方です。コミュ力がない人は「重要なポイントは3つあります」とか言っといて、2つしかポイントを言わなかったりするものです。これが漏れってやつですね。
また、「重要なポイントは3つあります」とか言っといて、3つのうち2つは同じ内容を言っていたりするのです。これが重複ってやつですね。
ピラミッド構造とは、砂漠のピラミッドのように一番上の石に該当する結論や主張がわかりやすくなるように、下の石で根拠や説明を補足していきます。私の中ではMECEを図式化して進化したものがまさにピラミッド構造だとイメージしています。
ピラミッド構造を意識するようになるとコミュニケーション力が低い人が苦手な、以下のような会話もできるようになります。
「3つのポイントをお話します。1つ目は○○。2つ目は△△。3つ目は□□です。では、1つ目の○○からご説明しましょう」
というような論理的な会話構造が作れるようになるのです。会話には順番というものがあって、順番に沿って話さなければいけないことがわかるのです。ちなみにピラミッド構造にすると以下のような感じです。
この会話構造がイメージできないから手当たりしだいに会話をしてしまうわけです。それでも会話が飛んでしまうことはありますが、仕事なら会話の要点だけでもメモしておけば、そんなに会話が飛ばなくなりますよ。
ちなみに私はSEOの仕事をしていますが、SEOなんてほぼほぼMECEとピラミッド構造な世界なわけです。本当に仕事に役立っています。
「漏れなく重複なく!論理的な会話やわかりやすい資料作成をするためにMECEとピラミッド構造を理解しよう」も参考にしてください。
演繹法、帰納法、因果関係などで自分の思考や会話が飛躍していることがわかる
ロジカルシンキングには因果関係、演繹法、帰納法など論理的な会話をするための様々な論理的思考方法が紹介されています。
因果関係というものが特に大切で、コミュニケーション力が低い人って因果関係がめちゃくちゃなんですよね。
因果関係とか考えることなく、自分の憶測や考えで決めつけてしまうわけです。決めつけだけで話をするから一般的なルールで会話しても会話が通じないわけです。しかし、そこで演繹法や帰納法を使うとある程度論理的に思考することができます。
演繹法とは、「人はいつか死ぬ→よってあなたもいつか死ぬ」というような考え方です。ルールがあって、そのルールに当てはめて結論を導き出す感じです。
帰納法とは「織田信長は死んだし、おじいちゃんも死んだ→よって人はいつか死ぬ」というような考え方です。いろんな共通した事実からルールを導き出す感じです。
帰納法はちょっと使いにくかったりしますが、演繹法は割と使いやすいんですよね。これらの考え方を利用すると自分の思考や会話がいかに飛躍しているかということを理解できるので、なるべく因果関係に沿って話そうと思えるんですよね。
「演繹法と帰納法で因果関係と相関関係の成立をロジカルに考えれば自分の論理や会話が飛躍しにくくなるよ」も参考にしてください。
会話にパターンがあることに気づく
ロジカルシンキングを意識するようになると会話にパターンがあることに気づきます。それまでの私は会話にパターンがあることに気づきませんでした。全部同じパターンで考えてしまうから臨機応変な対応ができないわけですね。
3つのパターンも1つのパターンとしか考えられないから、本来なら3パターンの回答方法があるはずなのにいつも1つのパターンでしか返せないわけです。2/3の確率で間違えるわけです。
会話にパターンがあることに気づけば、一度失敗したパターンで失敗することがなくなります。心理学のように○○のパターンでは○○の回答をしようというような感じで後天的にパターン別の会話方法がわかるようになるわけです。
「会話にはパターンがある!失敗しがちな会話はロジカルにパターン化して対応するとコミュ力が高まるよ」も参考にしてください。
話しながら考えるから考えてから話すようになるので早口が少なくなる
考えながら話すようになるので早口を意識するようになります。これまでは思ったことをそのまま話していたので、早口のマシンガントークになりがちでしたが、構成などを考えながら話すことになるので、ある程度早口を抑えられるようになります。
それでも早口は早口なのですが、以前の聞き取れないレベルの早口になることは少なくなりました。
「何話してるかわからない…早口でマシンガントークな人が話す速さを普通に近づけるコツ」も参考にしてください。
具体的過ぎるので話の階層レベルを合わせることに気づく
ピラミッド構造の考え方を知ってから、自分の会話は具体的過ぎることが多いことに気づきました。話の階層レベルは合わさなくてはいけないのです。
例えば、1階層のテーマの話をしているのに3階層の具体例の話をする、3階層の具体例を質問されているのに1階層のテーマを答えるなど話の階層レベルが合っていないんですよね。
また、新商品名のアイデア出しの会議をしているのに、自分が考えた新商品名の根拠や理由ばかりを説明している感じです。それよりも新商品名のアイデアをたくさん出すことが大切な会議なのにも関わらずです。これでは話も噛み合わないですよね。
「話の階層レベルを合わそう!無駄な内容まで具体的に説明しすぎて逆にわかりにくい話し方を改善する考え方」も参考にしてください。
最後まで話を聞くことの重要性がわかる
ロジカルシンキングをあれこれ勉強していくと勝手に判断してはいけないことがわかってきます。最後まで話を聞く重要性にようやく気づくことができるわけです。
私のようにアスペ傾向がある人って「トマトの色は赤色ですが、コーヒーの色は何色でしょう?」というような最初と最後が違う引っ掛け問題にいつもひっかかってしまう人で、すぐに勝手に判断してしまうんですよね。
だから「トマトの色は」→「赤色」と答えてしまうんですよね。でも、クイズを最後まで聞くと「ブラック」が答えになります。
最後まで話を聞けば自分が間違った解釈をしていることがわかるのに、会話の冒頭で回答をする、回答を決めつけてしまうので、うまくコミュニケーションが取れないわけです。
最後まで話を聞いていないから当たり前なわけです。そんなこんなでロジカルシンキングを勉強してから最後まで話を聞くという当たり前のことがようやく理解できたわけですw
「ひっかけクイズにひっかかりがち!最後まで話を聞けない人が最後まで人の話を聞けるようになる考え方」も参考にしてください。
ロジカルシンキングで後天的にコミュニケーション能力を獲得しよう
こんなかんじでロジカルシンキングを勉強して会話を練習するようにすると後天的にコミュニケーション能力が獲得できるようになります。
「質問の意図や会話のテーマを理解できる」
「論理的な会話構造がわかる」
「会話パターンを理解して失敗した会話パターンを成功に変えることができる」
などなど後天的にコミュニケーションが上手になっていきます。最初は失敗、失敗、失敗の連続ですが、大きな失敗はこれまで説明した部分が大半になるかと思います。
あとは個別のケースを拾っていけばいいだけなので、後天的に学習すればいいだけです。何でも初見だときびしいけど
「この会話はあのパターンかも」
「質問の意図は○○かな」
などを理解できるようになると、スムーズにコミュニケーションが取れるようになります。
ロジカルシンキングを学ぶには?
ロジカルシンキングを勉強するのにおすすめの本があります。とりあえずこの本を1冊読んでおけばいいと思います。私はかなり勉強になりましたよ。スルメ本だぜ。
「考える技術・書く技術(バーバラミント)がロジカルシンキング本でおすすめ」も参考にしてください。
感想
アスペルガー症候群やADHDなどの発達障害でコミュニケーションが上手に取れない人でも、ロジカルシンキングを勉強すれば後天的にコミュニケーション能力を身につけられると思っています。
私でもできたのだからあなたなら絶対できる!わからないことも勉強すればわかるようになるので、会話していてしんどいなと思う人はロジカルシンキングを勉強してみましょう!
「コミュ力なさ過ぎでアスペルガー症候群かも?自分にコミュニケーション能力がないなと思う理由」も参考にしてください。