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演繹法と帰納法で因果関係と相関関係の成立をロジカルに考えれば自分の論理や会話が飛躍しにくくなるよ

2020年10月09日 更新2020年10月09日 公開

人と会話をしているときに「会話が飛んだよ?」とか「論理が飛躍してるよ?」と指摘されたことはありませんか?

そんな非ロジカルな人のために「演繹法」と「帰納法」で「因果関係」や「相関関係」の成立をロジカルに考えれば自分の論理や会話が飛躍しにくくなる理由をお伝えします。

コミュ力が低い人は因果関係や相関関係がめちゃくちゃ

*因果関係、相関関係、演繹法、帰納法については後述するので少々我慢してお読みください。

私を含めたコミュ力が低い人は因果関係や相関関係がめちゃくちゃなことが多いように感じています。なぜなら、「自分が思うことは正しい」と考えているから自分が正しければ間違っていようが正しいと決めつけてしまうわけです。

演繹法を使ってみても「一般的、かつ、普遍的な前提条件」が「特殊、かつ、個人的な前提条件」となってしまっているので前提から間違っているわけです。

また、帰納法を使ってみても「私のときは○○をしたら△△になった」。だから「○○をしたら△△になる」と結論づけているわけです。データ数が自分だけのケースもよくあるので、結論が間違っている可能性が高いわけです。

こんな感じで因果関係とか相関関係とか考えることもなく、自分の憶測や考えの決めつけだけで話をするから、会話が飛んでしまうわけです。

しかし、演繹法や帰納法を知るようになると因果関係や相関関係を考えるようになるので、自分の思考や会話が飛躍したときに気づけるようになるのです。

なので、思考や会話が飛躍してしまう人ほど「因果関係」「相関関係」「演繹法」「帰納法」を理解する必要があるのです。

因果関係とは?

因果関係とは、原因と結果の関係のことです。Aという原因があったからBという結果になった場合にAとBに因果関係があることになります。

「Aという原因がBという結果を引き起こした」

というように因果関係が成立していると論理的に物事を説明することができます。だって、因果関係があるのだから突っ込みどころがないわけです。原因と結果の法則も同じですね。

相関関係とは?

相関関係とは、2つの事柄に何らかの関係性があるとのことです。

数学で考えるとわかりやすく、Aが増加するとBが増加するなら正の相関関係、Aが増加するとBが減少するというように負の相関関係があることになります。どちらにも当てはまらないと無相関ということになります。

また、身長と体重の成長曲線なんてまさに相関関係ですよね。165cmで55kgの人もいれば65kgの人もいます。しかし、身長が高くなるに従って体重が増える傾向にあるので、相関関係があると言えるわけです。

「Aという原因がBという結果を引き起こした一つの原因だと考えられる」というように相関関係が成立していると論理的に仮定して物事を説明することができます。相関関係だと突っ込みどころはあるけど、完全否定するまでは突っ込めないわけです。論理バリアですね。

因果関係と相関関係が成立していない説明は非論理的

因果関係と相関関係が成立していない説明は非論理的であることが上記の例からおわかり頂けたかと思います。何らかの関係性がないと論理的推論であるとは言えないからです。

しかし、私のように非論理的な人間は因果関係も相関関係も成立していないことでも、さも因果関係や相関関係があるかのように説明をしてしまうわけです。

なので、非論理的だと思われてしまうし、思考や会話が飛躍しているなと思われてしまうわけです。そのため、因果関係や相関関係を考えるために2つの考え方を知りましょう。

演繹法とは?三段論法で因果関係を証明しやすいが前提条件次第

演繹法とは、「一般的、かつ、普遍的な事実を前提」として結論を導き出す論理的推論のことです。よくある演繹法の代表例を知るとわかりやすいです。

「人は必ず死ぬ」

「ソクラテスは人である」

「ソクラテスは必ず死ぬ」

このように「一般的、かつ、普遍的な事実を前提」として結論を導き出しています。このやり方なら「ソクラテス」でなくても「田中さん」でも「山田さん」も人であれば必ず死ぬということになります。

この演繹法の例は三段論法と呼ばれています。大前提と小前提から結論が導かれることが多いからです。先ほどの例は以下のようになりますね。

「人は必ず死ぬ(大前提)」

「ソクラテスは人である(小前提)」

「ソクラテスは必ず死ぬ(結論)」

「一般的、かつ、普遍的な事実を前提」とできるのであれば簡単に因果関係が示せるのが演繹法なわけです。演繹法は三段論法を利用することが多いのです。

ただし、前提としていることが「一般的、かつ、普遍的」でないと因果関係を明確に示すことが出来ないので注意が必要です。

前提条件が「非一般的、かつ、特殊」になっており因果関係が証明できないということは多いからです。

また、一般的というのは世間一般に浸透している必要があるので、割と演繹法の使いどころは少ない気はしています。

ここが世間とズレている人は演繹法を使っても論理的に説得しにくくなります。お笑いと同じですね。世間の常識を知っているからズラして笑いを取れるわけです。

帰納法とは?データ数が重要で結論が正しいとは限らない

帰納法とは、複数の事実や事例から共通点があることに気づき、まとめることで結論を導き出すという論理的推論のことです。

「広瀬さんは田中君と仲がいい」
「広瀬さんは田中君と手をつないでいる」
「広瀬さんと田中君は付き合っている」

というように複数の事実から「2人は付き合っているのではないか?」という共通点に気づき、「2人は付き合っている」という結論を導き出しているのです。

帰納法は見つけ出した共通点が納得しやすければ結論も納得しやすいのですが、結論が必ずしも正しいとは限らないのが厄介なところです。

「インフルエンザの薬Aを飲んだら田中さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら山田さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら高橋さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら佐藤さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら鈴木さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら伊藤さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら山本さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら渡辺さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら小林さんは治った(100%)」
「インフルエンザの薬Aを飲んだら前田さんは治らなかった(90%)」

というように田中さんから小林さんまでは「インフルエンザの薬Aを飲めばインフルエンザが治った」という結論が導き出すことはできます。

しかし、前田さんのように治らなかった事例が生じると「インフルエンザの薬Aを飲んだらインフルエンザは治りやすい」という結論になるわけです。帰納法はデータ数も重要となるわけです。

データ数が多くて、データ内での確率が高ければ傾向があることは証明できますが、データ数が少ないと確率が本当なのか証明できないので、データ数が重要になるわけです。統計データもデータ数が大事なのも同じ理由です。

ちなみに、先ほどの例でも、「仲がよくて手をつないでいる」→「付き合っている」とは必ずしも証明できないわけです。

まだ付き合う前かもしれませんし、大人の関係なだけかもしれないわけです。この程度のデータでは「付き合っている」とまでは言えないわけです。

「広瀬さんは田中君と仲がいい」
「広瀬さんは田中君と手をつないでいる」
「広瀬さんと田中君は付き合っている可能性が高い」

という結論にすればもっともらしくなるわけです。なので、断定するよりも高確率で可能性が高い程度で使うのが帰納法の一番いい使い方かなと思います。

帰納法は因果関係より相関関係を導き出すために使おう

もちろん、帰納法でも演繹法の前提となるような因果関係を示すことは可能です。例えば、演繹法のよくある例で一般的な「人は死ぬ」という前提も「人が必ず死ぬ」という前提がないときは帰納法で導き出していたわけです。

「ソクラテスは死んだ」
「織田信長は死んだ」
「田中は死んだ」
「したがって人は全て死ぬ」

というように複数の事実や事例から共通点を見つけ、結論を導き出したわけです。この結論が「一般的、かつ、普遍的」であったからこそ、演繹法で利用できるような「一般的、かつ、普遍的な前提」となれたわけです。

しかし、不老不死を信じていた時代は、「一般的、かつ、普遍的な前提」とはならないわけです。キングダムの始皇帝だって不老不死の薬を探させるために徐福に命じたほどですからね。

人間がいつか死ぬのはわかっていたけど、不老不死あるんじゃないかと考えていたので、「一般的、かつ、普遍的な前提」とまではならなかったんじゃないかな。

また、未来で不老不死の技術が開発されたとしたら、「一般的、かつ、普遍的な前提」さえも「一般的、かつ、普遍的な前提」じゃなくなるわけですしね。TTAGGGの謎ですね。

なので、帰納法では因果関係よりも相関関係を導き出すために使うのがおすすめです。結論が必ず正しいと証明するのも難しいので、「結論が高確率で正しい可能性が高い」ことを証明するために使う感じです。

ビジネスでも「これをやったら絶対売上が上がる」と断言するよりも「これをやったら高確率で売上が上がる」と逃げたほうが安全ですしねw

実際生活での会話でも明確な因果関係を示すことは難しいので、多くのケースでは帰納法的思考を使って物事を説明することになります。

思考や論理が飛躍してないか前提条件とデータ数を考えよう

自分の復習も兼ねて因果関係、相関関係、演繹法、帰納法を説明してきましたが、大事なのは概念を理解することです。

こういう考え方があることを知れば、因果関係と相関関係を考えるようになるので、以前よりも論理的に思考や会話ができるようになるからです。

実際生活で使えないフレームワークでは意味がないので、あくまで因果関係と相関関係を考えて「原因」と「結果」に何らかの関係性があるのかを考えるようにしましょう。思うより因果関係や相関関係を論理的に示すというのは難しいものです。なので、私は

「因果関係(の前提条件)が正しいか」
「相関関係のデータ数は十分か(自分だけのデータではないか)」
「思考や論理が飛躍していないか」

と考えるようにしています。あれこれ考えると難しいので自分なりにシンプルに判断できる考え方を持つことも大事かなと思います。

演繹法や帰納法を勉強するのにおすすめの本

演繹法や帰納法を完全に理解するためにロジカルシンキングを理解することが重要です。私はやっぱりこのスルメ本で勉強しました。

考える技術・書く技術(バーバラミント)がロジカルシンキング本でおすすめ」も参考にしてください。

感想

私も「因果関係」「相関関係」「演繹法」「帰納法」を理解していたつもりでいましたが、改めて記事を書いてみると非常に難しいですね。50%くらいしか理解できてなかったw

会話やビジネスシーンでも明確な因果関係や相関関係があるものは少ないので、そんなときこそ「因果関係」「相関関係」「演繹法」「帰納法」を意識して最もらしい論理的な説明ができるようにすることが重要です。

こういうロジカルシンキング系の技術は実際生活で実践してなんぼのものとなります。本を読むのも大事ですが、実際生活で修行して自分の思考や会話が飛躍しないようにしていきましょう!

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
IT・Web会社の社長
詳細プロフィール

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