怒らず、怖れず、悲しまずとは【この世は怒ったり、怖れたり、悲しまなくても生きていける世界】
2020年09月17日 公開私は中村天風氏の教えが大好きですが、いろんな教えの中でも大好きなのが「怒らず、怖れず、悲しまず(三忽の実行)」です。この世は怒ったり、怖れたり、悲しまなくても生きていける世界なんです。
「怒らず、怖れず、悲しまず」とは
怒らず、怖れず、悲しまずとは、怒らない、怖れない、悲しまないで生きていく大切さがわかる教えのことです。「聖者怒らず、覚者悲しまず、勇者恐れず」も同じ意味です。
三忽の実行とは
三忽の実行とは、「怒らず、怖れず、悲しまず」のことです。「忽怒」「忽悲」「忽怖」なので三忽となります。
怒り、怖れ、悲しみは無駄で愚かな感情
「これ(三忽の実行)は、単に観念要素の更改に対してばかりでなく、この消極的感情の発作は、直接に生命維持に必要とする活力を夥しく減退するものである。
現に、平素肉体健康の勝れない人などが、ただこの三忽だけの実行を専念しただけでも、どれだけその健康回復に役立つか分らぬ位であることを思うと、およそこの三つの消極的感情の発作位、生命に価値のない、何の利益もない、愚にもつかないものは無いといってよい。(中村天風、真人生の探求p151~152)」
「怒り」「怖れ」「悲しみ」という消極的な感情は、「観念要素の更改」を邪魔するだけでなく、命を維持するために必要なエネルギーもたくさん使ってしまいます。
普段、不健康で病気がちな人が「怒らず、怖れず、悲しまず」を実行しただけでも、健康になるくらい「怒り」「怖れ」「悲しみ」という3つの消極的な感情は、命を削るだけの何の価値もない、無駄で愚かな感情なのです。
消極的な感情が、肉体にどんな悪影響を与えるかは「消極的になってはいけない理由は?自分を徹底的に守り、徹底的に愛せる者は、自分以外にはいない件」を参考にしてください。
この世は怒ったり、怖れたり、悲しまなくても生きていける世界
「怒ることや、悲しいことや、怖ろしいことのあるのが、人生ではないかという人もあるであろう?勿論、それは、人生世界の現象界に現存する事実には相違ないが、そうかといって、この世は怒ったり、悲しんだり、怖れたりしなければ、絶対に活きて行けないという世界ではない筈である。まして、神聖であるべき自己の心を、この種の消極的感情の奴隷に堕落させなければ、人生というものが暮らしていけないというような、そんな馬鹿げたことが、苟くも万有の根源である造物主に依って造られた秩序整然たるこの世界にあろう道理がない。(中村天風、真人生の探求p152)」
怒ったり、悲しんだり、怖れたりすることが、普通の人生だと勘違いしていませんか?私もこれまで人生というものは怒ったり、悲しんだり、怖れたりすることが普通のことだと思っていました。当たり前のことだと思っていました。
確かに、この現象界において、「怒り」「悲しみ」「怖れ」という消極的な感情が存在しているのは事実です。
でも、「怒り」「悲しみ」「怖れ」という消極的な感情が存在するからといって、怒ったり、悲しんだり、怖れたりしなければ、絶対に生きていけないような世界ではないわけです。「怒り」「悲しみ」「恐怖」がなくても生きていくことは可能なんです。
まして、神聖な心を「怒り」「悲しみ」「怖れ」というような、消極的な感情の奴隷にさせる必要もないし、「怒り」「悲しみ」「怖れ」がなければ生きていけないというような、馬鹿らしい道理があるわけないのです。
万有の根源である造物主によって作られたこの世界に、「怒り」「悲しみ」「怖れ」がなければ生きていけない、といったアホらしい道理なんてないのが本当の世界なのです。
怒り、怖れ、悲しみにとらわれるデメリット
「平素やたらに、些細のことにも怒ったり、悲しんだり、怖れたりするという価値のない精神習性のついている人は、ほんとうに怒らねばならぬことや、悲しまねばならぬこと、または怖れねばならぬようなことには、案外にも怒りもせず、悲しみもせず、怖れもしないという状態である。そして、冷静になって考えて見れば、さほど怒ることでなく、悲しむことでもなく、また怖れる必要もないことに、盛んに怒ったり、悲しんだり、怖れたりしているというのも、それは畢竟、平素やたらに消極的感情を無統制に濫発せしめている結果、いざという時、正当な感情発露が出来ないためである。(中村天風、真人生の探求p152~153)」
いつも小さなことで怒ったり、悲しんだり、怖れたりしていることが習慣化してしまうと、本当に怒ったり、怖れたり、悲しんだりしないといけないときに、怒ったり、怖れたり、悲しんだりできなくなります。
また、ふと冷静になって考えてみると、本当は怒らなくてもいいことに怒ったり、悲しまなくてもいいことに悲しんだり、怖れる必要もないことに怖れていたりしているわけです。
なぜなら、普段から消極的な感情ばかり出ているので、正しい感情表現ができないようになってしまっているのです。怒り、怖れ、悲しみには、このようなデメリットがあるのです。だから、怒らず、怖れず、悲しまずが大切なのです。
命令暗示法で「怒らず、怖れず、悲しまず」になろう
「自己暗示誘導法の第二法である命令暗示法で漸次改善して行くことが出来るのであるから、大いに応用されたい。
則ち、夜の臥所に入る前、所定の命令暗示法を実行した後、静かに今日一日の、自己の心の生活状態を仔細に内省観察して見るのである。そして、万一、怒ったとか、悲しんだとか、怖れたとかいうような記憶があったら、再び鏡に向い、大いに厳戒を与える気持で、明日以後の心的態度を矯正する命令を与えるのである。即ち、怒ったとしたら、「今日あの位のことで、心の平静を失うとは何事だ。今後再びあんなことくらいで、怒るな!」というように…同じく、悲観した時でも、また怖れたような時でもこれに則った方式でよろしい。とにかく是非これも実行して、心の平和を確保の出来得るよう真に幸福な人生を獲得するようにしなければならない。(中村天風、真人生の探求p153~154)」
怒らず、怖れず、悲しまず」は「命令暗示法」で改善できます。夜眠る前に命令暗示法を行い、その後静かに今日1日の自分の心を観察してみましょう。
今日一日を振り返ってみて、怒ったり、悲しんだり、怖れたりしたことがあれば、鏡に向かって命令暗示を与えるだけです。例えば、怒ってしまったのであれば、
「今日はあんなことで、怒ってしまうとは何事だ!今後あんなことで怒るな!」
「今日はあんなことで、怖れてしまうとは何事だ!今後あんなことで怖れるな!」
「今日はあんなことで、悲しんでしまうとは何事だ!今後あんなことで悲しむな!」
というように命令暗示法をかけていくだけです。こうやって命令暗示法を続けていけば、怒らず、怖れず、悲しまずという心の平和を確保でき、本当に幸せな人生になります。
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