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消極的になってはいけないのはなぜ?自分を守れるのは自分だけな件

2020年07月17日 更新2020年07月17日 公開

消極的になってはいけない理由を知っていますか?実は、怒ったり、怖れたり、悲しんだりすることは、当たり前のことじゃないんですよ。自分を守れるのは自分だけな件をお伝えします。

消極的な心の悪影響

消極的な心が、生命(肉体)に与える悪影響を知っておくことが重要です。消極的な感情の代表である「恐怖」を例に考えてみましょう。

「極度の恐怖心が心に生ずると、忽ちそれが物の声に応ずるように、肉体に激甚な衝動を与え、心臓はさながら早鐘を打つような鼓動を起こし、顔面その他の皮膚は、血の気を失って蒼白となり、ものいう声さえも、呂律の廻らぬように顫え出し、果ては身体を支える力を喪失して、完全に起立していることさえ出来ぬようになる人さえある。(中村天風、真人生の探求p85)」

恐怖心が心に生まれると、心臓はバクバクと鼓動が早くなります。顔面蒼白で血の気が引いて、生きた心地がしないということも多いですよね。

また、人によってはブルブルと震え、立っていることができないようなことがあります。それほどまでに恐怖を感じた心は、生命に肉体に大きな影響を与えているのです。あなたもこのような影響を自分で感じたことがありませんか?私はありますよ。

「しかもこうした現象は、ただ恐怖の感情発作の場合だけでなく、悲しみの感情発作の時でも、また怒りの感情発作の時でも、更にその他の消極的感情発作の時でも、その現象に大同小異はあるが、必ず発生する事実現象である。(中村天風、真人生の探求p85~86)」

そして、絶対に知っておきたいことは「恐怖」を感じたときだけではなく、「悲しみ」や「怒り」などその他の消極的な心になってしまうと、生命に肉体に大きな影響を与えてしまうのです。だからこそ「怒らず、怖れず、悲しまず」が大事なんですね。

消極的になることを当たり前だと考えるな

私もそうだったのですが、恐怖やら怒りやら悲しみやら、消極的な心になってしまうことを当たり前のことだと考えている人は多いです。

消極的になることは仕方ないと思っているし、世間も消極的になってしまうのは仕方ないことだと思っています。

そんなふうに思っているから、消極的な心が肉体に悪影響を与えるにも関わらず、気軽に怒ったり、悲しんだり、怖れたりしてしまっているのです。本当は消極的な気持ちになることは、当たり前のことではないのです。やってはいけないことなのです。

消極的な心は生命力を弱めてしまう

「そういう人に限ってこういう風に怒ったり、悲しんだり、恐れたりする度に、その消極感情の発作の影響が、肉体生命の活きる力までを全体的に弱めて、或は病の近因を作りまたは早老の遠因を作るという、生命に甚大な危険をその度毎に醸成していることを気づいていない。尤も気づかないからこそ、無雑作に怒り、軽率に悲しみ、無分別に恐怖するのであろうと思う。(中村天風、真人生の探求p86)」

怒り、悲しみ、恐怖などの消極的な心になってしまうと、肉体にも様々な影響を与えますが、ただ肉体を突き動かすだけでなく、生命にまで悪影響を及ぼしてしまっています。

自分が気づかないうちに、生命の活きる力を弱くし、病になる原因を作り、早く老けてしまう原因を作り、生命にとても大きな危険を作っているのです。生命力を弱めてしまっているのです。

でもね、これ本当に重要なことなんですが、生命に大きな悪影響を与えることに気づかないから、「無造作に怒り、軽率に悲しみ、無分別に恐怖する」のです。これこそが中村天風氏の真骨頂だと思うのです。

消極的になると血液が酸性になる

「人が消極的に感情を発作すると、血液は即座にその色および味いを変化するというのである。詳しくいうと、怒ると黒褐色に変色し、その味い渋くなり、悲しむと茶褐色となって苦味を呈し、恐れると淡紫色傾向となって、酢味を感ずる。特に注意すべき問題は、このように変色変味した血液は一様に、健康保障に必要とするアルカリ度を著しく減少して、酸性化するというのである。そして、血液が酸性化した場合は、一体その結果はどうなるかというと肉体健康はたちまちその障害を受けて、何かの疾患にかならず犯されるに至る。(中村天風、真人生の探求p88)」

消極的な心になってしまうと、血液にも悪影響を与えてしまいます。天風氏の時代の血液データとなりますが、怒ると血液が黒褐色になり、悲しむと茶褐色になり、怖れると淡い紫色に変化するというのです。

そして、このように変色した血液はアルカリ性から酸性になってしまうのです。人間の血液は弱アルカリ性が本来の姿なので、酸性になってしまうと、肉体に様々な悪影響を与え病気となってしまうのです。

現代でも血液は酸性はNGで、アルカリ性に保つべきだと言われていますが、これは中村天風氏の時代からわかっていたことなのです。

「この影響事実は単に血液だけでなく、血液と同様に、生命維持に必要な要素である淋巴液にも波及し、ひいて各種の内分泌、外分泌の作用にも、打てば響くといった影響を反動的に与える(中村天風、真人生の探求p89)」

また、消極的な心は血液に影響を与えるだけなく、生命維持に重要なリンパ液にも悪影響を与えます。そして、人間の体の広範囲に悪影響を与えてしまうのです。消極的な心になると健康になれる気がしませんよね。

消極的な心になると神経系統の力が弱くなる

「心の態度が消極的となり、その結果肉体生命維持の各機能を直接間接に司どる神経各系統が、その生活力を減退するため、それが一切の根本原因をなすからである(中村天風、真人生の探求p90~91)」

上記のように消極的な心が生命に与える悪影響は、消極的な心になることで生命維持の機能をしている神経系統の力が弱くなってしまうからです。これでは生きる力さえも弱くなってしまいます。

積極的な心が大事な理由」も参考にしてください。

消極的な心は運命にも悪影響を与えてしまう

「心の態度というものは、このように肉体生命内のいろいろの作用や力に影響を与えるばかりでなく、人の運命の上にも、やはり同じような不良の影響を及ぼす(中村天風、真人生の探求p91)」

消極的な心が身体に悪影響を与えるだけならまだしも、実は人間の運命にも悪影響を与えてしまうという事実を知っておくことが必要です。

運命は運次第と考えている人も多いかもしれませんが、実は消極的な心は不運命を作り出してしまうのです。

「運命の打開と啓発に必要とする能力や、判断力や、断行力や、精力、胆力などが、神経系統の生活機能の萎縮とともに、第二次的原動力要素の減退を招き、その結果完全に発動することができないことになるためである。(中村天風、真人生の探求p91)」

消極的な心が運命に影響を与えてしまうのは、神経系統が弱くなってしまうことで、生命の力が弱くなり、素晴らしい運命を作るために必要な能力を発動させることが出来なくなるからです。

「理論的に要約すれば、第二次的原動力要素であるBioelektrizitatは、恒に動物性神経と植物性神経との相互亢奮の調整を保持するという特定作用を有しているものであるがそれが心の態度に依って変調を呈すると同時に、右の両生神経の相互亢奮の平衡を保ち得ない結果、勢いどれか一方の神経の異常亢奮を昂進するため、生命一切の力が乱調子に陥り、結局正当に力強く発動しないようになるためである。(中村天風、真人生の探求p92)」

理論的には動物性神経と植物性神経のバランスが保てないということです。現代の自律神経用語で言うならば、交感神経と副交感神経のバランスが保てず健康に悪影響を及ぼすと考えることが出来ます。

毎度ここで私がすごいなと思うのは、悟る人っていうのは、こういう科学的なことも直感でわかってしまうということです。感覚的な悟りというのは、そのうち科学の進歩で証明されていくんだろうなと悟った人が言っていました。

聖者怒らず、覚者悲しまず、勇者怖れず

「実際、こういう事実現象が生命に存在することを知ってながら、強いて、自己の生命に、自分自身直接間接に危害を与えるようなことは、まともの精神を持つものでは為し得ない筈である。
古語に、聖者怒らず、覚者悲しまず、勇者恐れずというのがあるが、そうした種類の人でなくとも、こうした心身相関の現象事実を知る以上は、自己を消極的感情の擒にし、貴重な人生を冒涜することが、甚だしい愚かな行為であることを思わないものはないであろう。(中村天風、真人生の探求p87)」

消極的な心が生命に与える悪影響を知っていながら、あえて怒ったり、怖れたり、悲しんだりして自分を傷つけるなんてまともな精神を持つ人がやることではないのです。

そして、これまた中村天風氏の真骨頂である「怒らず、怖れず、悲しまず」を理解させる言葉「聖者怒らず、覚者悲しまず、勇者恐れず」が出てきます。

もしもあなたが聖者なら怒ってはいけません。覚者(悟った人)なら悲しんではいけません。勇者なら恐れてはいけないのです。この三忽は絶対にやってはいけない三大消極感情と言えるのです。

自分を徹底的に守り愛せるのは自分だけ

「自己を徹底的に守り、徹底的に愛するものは、自己以外に絶対に無い(中村天風、真人生の探求p87~88)」

そして、これまた重要なのですが、自分を守り、自分を愛するものは、自分以外にはないということです。だからこそ、消極的な心にならずに積極的な心を維持することで、自分で自分を守るしかないのです。他人頼みでは自分は守れないのです。

病気や不幸でも積極的であれ

「健康の時でも不健康の時でも、また幸運の際にも、不運の際にも、否どんな苦難不如意の時であっても、その心は断固として積極的に、厳として把持しなければならないというのが、人間に与えられた宇宙真理であると同時に、また人として厳守すべき自然法則(中村天風、真人生の探求p92)」

「身に病ありとし雖も心まで病ますな。運命に非なるものありとしも心まで悩ますな。(中村天風、真人生の探求p92~93)」

この考え方は中村天風氏の真骨頂だと思っています。これは私の座右の銘でもあり、常に意識しておきたい言葉です。

身に病ありとし雖も心まで病ますな、運命に非なるものありとしも心まで悩ますな【中村天風の名言】」も参考にしてください。

感想

消極的な心が生命や運命にどれだけ悪影響を与えるかということを知れば、消極的な心になってはいけないことか理解できると思います。ここは理論的に重要なところなので、しっかりとまとめてみました。

だからこそ、「身に病ありとし雖も心まで病ますな。運命に非なるものありとしも心まで悩ますな。」の精神で常日頃生きていきたいのです。自分を徹底的に守り、徹底的に愛せる者は、自分以外には絶対にいないのですから。

これこそが中村天風氏の真骨頂だと思える素晴らしい考え方です。わかりやすくお伝えしたつもりですが、中村天風氏の真意は本を読むことでしか理解できません。「真人生の探求」を是非お読みください。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
詳細プロフィール

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