国民負担率で一番高いのは社会保障負担率
2024年08月06日 更新2023年10月19日 公開
国民負担率が高いので、日本国民は苦しい生活を強いられています。国民負担率は「租税負担+社会保障負担」と簡単にまとめられることが多く、租税負担が一番高いんだなと思います。
しかし、租税負担の内訳別に比率を見ると、社会保障負担率の高さに気づくはずです。
国民負担率の比率
グラフの赤枠部分をよく見てください。国民負担率は赤枠部分の負担を合計したものです。一番高いのは社会保障負担率だとわかります。
2023年度
負担項目 | 比率 |
---|---|
社会保障負担率 | 18.7% |
消費課税 | 9.8% |
個人所得課税 | 8.4% |
法人所得課税 | 6.2% |
資産課税等 | 3.7% |
2024年度
*国民負担率及び租税負担率の推移(対国民所得比)の図(財務省)2024年度版を参照
負担項目 | 比率 |
---|---|
社会保障負担率 | 18.4% |
消費課税 | 9.3% |
個人所得課税 | 7.1% |
法人所得課税 | 6.5% |
資産課税等 | 3.7% |
社会保障負担率が圧倒的に高い
2023年の国民負担率は46.8%ですが、個別の負担率の数字を見ると、社会保障負担率が18.7%と圧倒的に高いことに気づきます。1970年から2023年までの伸び率を見ると、びっくりしますよ。
社会保障負担率は13.3%の増加(5.4%→18.7%)
消費課税、個人所得課税、法人所得課税、資産課税等を合算した税金負担は9.2%の増加(18.9%→28.1%)
となっています。つまり、社会保険料だけが突出して上がっているわけです。上記の内訳を見ると消費課税が約10%になっているので、社会保障負担は消費税なら約20%近い負担と考えることができます。
現役世代の社会保障負担がきつすぎる
- 現在の社会保障負担は現役世代が高齢者の年金や医療費を支える「先送り方式」
- 1950年は12人で1人の高齢者を支えていた
- 今は2人で1人の高齢者を支えているから、負担は上昇社会保障負担の仕組みの現状維持はもう限界…
- 現在の人口年代構造に合わせて社会保障負担の仕組みを変えることが必要
感想
国民負担率が高くてやばいという声はよく聞きますが、何が一番やばいのかと言われると社会保障負担率なんです。つまり、日本で一番負担となっているのは社会保険料です。
そして、社会保険料は現役世代が高齢者を支える仕組みとなっているので、現状の仕組みだと現役世代の負担はどんどん高くなっていきます。
既存の社会保険料の仕組みを変えないと、日本の国民負担率はどんどん高くなっていくだけです。
「1人の高齢者を支える現役世代は何人?社会保険料の仕組みは破綻している」も参考にしてください。