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国民負担率の推移と五公五民の現実!国際比較すると高い?安い?

2024年08月06日 更新2023年07月26日 公開

仕事をどれだけがんばっても、若者世代の生活はなかなか楽になりません。それは、国民負担率が高くなっているからです。

しかし、この国民負担率とは、どんな意味なのでしょうか?国民負担率の推移、五公五民の現実、国際比較するとをお伝えします。

国民負担率とは

国民負担率をわかりやすく説明すると、国民所得(*1)に対する税金負担(*2)と、社会保障負担の合計額の割合となります。以下の計算式で算出できます。

(税金負担+社会保障負担)÷国民所得

また、財務省の定義は、租税負担、及び、社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得に対する比率となっています。

*1:国民全体が得る所得の総額のことで、国民総所得-減価償却費-間接税
*2:国民全体の所得に占める所得税、法人税、消費税、資産課税など

潜在的国民負担率とは

潜在的国民負担率とは、国民負担率に将来世代の潜在的な負担として、財政赤字を加えた額の比率のことを意味します。

国民負担率、潜在的国民負担率の推移

年度 税金負担 社会保障負担 国民負担率 財政赤字 潜在的国民負担率
1970年 18.9 5.4 24.3 0.5 24.9
1971年 19.2 5.9 25.2 2.5 27.7
1972年 19.8 5.9 25.6 2.8 28.4
1973年 21.4 5.9 27.4 0.7 28.1
1974年 21.3 7 28.3 3.3 31.6
1975年 18.3 7.5 25.7 7.5 33.3
1976年 18.8 7.8 26.6 7.2 33.8
1977年 18.9 8.3 27.3 8.3 35.6
1978年 20.6 8.5 29.2 8 37.1
1979年 21.4 8.8 30.2 8.7 38.9
1980年 21.7 8.8 30.5 8.2 38.7
1981年 22.6 9.6 32.2 8.2 40.4
1982年 23 9.8 32.8 7.9 40.6
1983年 23.3 9.7 33.1 7.1 40.1
1984年 24 9.8 33.7 5.9 39.7
1985年 24 10 33.9 5.1 39
1986年 25.2 10.1 35.3 4.3 39.6
1987年 26.7 10.1 36.8 2.9 39.6
1988年 27.2 9.9 37.1 1.4 38.5
1989年 27.7 10.2 37.9 1 38.9
1990年 27.7 10.6 38.4 0.1 38.5
1991年 26.6 10.7 37.4 0.5 37.9
1992年 25.1 11.2 36.3 4.5 40.8
1993年 24.8 11.5 36.3 6.7 43
1994年 23.2 11.7 34.9 8.2 43.1
1995年 23.3 12.4 35.7 9.1 44.8
1996年 22.9 12.3 35.2 8.5 43.7
1997年 23.5 12.8 36.3 7.5 43.9
1998年 23 13.2 36.2 10.3 46.5
1999年 22.3 13.1 35.4 11.9 47.4
2000年 22.6 13 35.6 9.5 45.1
2001年 22.7 13.8 36.5 9 45.6
2002年 21.2 13.9 35 10.6 45.6
2003年 20.5 13.6 34.1 10 44.1
2004年 21 13.5 34.5 7.6 42
2005年 22.4 13.8 36.2 5.6 41.8
2006年 22.9 14 37 4.1 41
2007年 23.5 14.4 37.9 3.5 41.4
2008年 23.4 15.8 39.2 6.1 45.3
2009年 21.4 15.8 37.2 12.5 49.7
2010年 21.4 15.8 37.2 10.9 48.1
2011年 22.2 16.7 38.9 11.5 50.3
2012年 22.8 17.1 39.8 10.4 50.3
2013年 23.2 16.9 40.1 9.3 49.4
2014年 25.1 17.3 42.4 7.6 50
2015年 25.2 17.1 42.3 6.1 48.4
2016年 25.1 17.6 42.7 6.4 49.1
2017年 25.5 17.8 43.3 5.1 48.4
2018年 26 18.2 44.2 4.4 48.6
2019年 25.7 18.6 44.3 5.3 49.6
2020年 28.2 19.8 47.9 15 62.9
2021年 28.9 19.3 48.1 9.2 57.4
2022年 29.4 19.0 48.4 6.3 54.7
2023年 27.5 18.6 46.1 8.5 54.6
2024年 26.7 18.4 45.1 5.8 50.9

*単位は%、2022年度までは実績、2023年度は実績見込み、2024年度は見通し
*詳細データは令和6年度の国民負担率公表データを参照

年度 国民負担率 平均年収
1992年 36.3% 455万円
1993年 36.3% 452.2万円
1994年 34.9% 455.5万円
1995年 35.7% 457.2万円
1996年 35.2% 460.8万円
1997年 36.3% 467.3万円
2005年 36.2% 436.8万円
2010年 37.2% 412万円
2011年 38.9% 409万円
2012年 39.8% 408万円
2013年 40.1% 413.6万円
2014年 42.4% 420.9万円
2015年 42.3% 423.4万円
2016年 42.7% 425万円
2017年 43.3% 433.6万円
2018年 44.2% 439.1万円
2019年 44.3% 438.4万円
2020年 47.9% 435.1万円
2021年 48.1% 445.7万円
2022年 48.4% 457.6万円

国民負担率の見通し、実績見込みは実績より数値が高くなる傾向

国民負担率の見通し、実績見込みは実績より数値が高くなる傾向にあります。

年度 実績 実績見込み 見通し
2018年 44.2 42.8 42.5
2019年 44.3 43.8 42.8
2020年 47.9 46.1 44.6
2021年 48.1 48.0 44.3
2022年 48.4 47.5 46.5
2023年 - 46.1 46.8
2024年 - - 45.1

そのため、実績値をとばは利用させていただきます。

国民負担率を国際比較すると?

国民負担率は国際比較すると高くないように見えますが、実際には社会保険の比較条件が同一ではありません。

そのため、単純に数字を高い低いと比較することはできません。実際、北欧では教育費や医療費などが無料となる国が多いので、実際の負担感は低い傾向にあります。

例えば、国民負担率が高いフィンランドは小学校から大学まで教育費が無料ですし、給食費や教科書代も無料です。医療費も公立病院であれば負担は低くなっています。

また、デンマークも公立校、大学も教育費が無料です。また、公立病院は無料となっています。こんな感じで比較条件が同一ではないので、国民負担率を比較してもあまり意味がないように思います。

さらに、海外では国民所得ではなく、GDPを利用して国民負担率を算出するのが一般的となっています。日本の行政は数字マジックがお好きなのです。国民は正しい知識を持って、数字マジックに騙されないようにする必要があります。

国民負担率の国際比較(OECD加盟36ヵ国)(財務省)

国民負担率の国際比較(OECD加盟36ヵ国)(財務省)のグラフを参照

国民負担率が高いなら教育の無償化を導入するべき

教育は無償化、医療費も無料
デンマークの国民負担率 →65.1%
高福祉・高負担に分類

教育の無償化は進んでいない、医療費安い
日本の国民負担率    →48.4%
中福祉・低負担に分類

日本の国民負担率は1970年から20%以上も高くなっているのに「教育の無償化」は進んでいない…

国民負担率はどんどん高くなっているので「教育の無償化」を導入するべき!中福祉・中負担が日本には合いそうですね!

五公五民の現状

最新の国民負担率の実績ベース(2022年度)では、国民負担率は48.4%、潜在的国民負担率は54.7%です。財政赤字まで含めると五公五民を超えています。

「今の人は共働きだから、昔よりは楽でしょ?」

という言葉をいただくことがありますが、実際に同じお金を稼いでも半分は税金で持っていかれるわけです。

1970年と比べると、25%程度も税金は高くなっているわけです。そして、日本の平均年収は1991年から30年間、ほとんど上がっていません。

そして、その内訳としては社会保険料の負担率が突出して高くなっています

そりゃ、共働きしても生活はなかなか楽にならないわけです。そろそろ、一揆を起こさないといけないレベルになっているのです。

感想

国民負担率という言葉の定義がよくわかっていなかったので、まとめてみました。しかし、国民負担率はエグいくらいに高くなっているなと感じます。

50%も持っていかれるから、共働きもしないといけないし、共働きしているのに生活も楽にならないわけです。

そろそろ抜本的に日本を変えないと、日本は本当に沈没するだろうなと思います。もっと未来ある日本の経済にしていきたいです。

1人の高齢者を支える現役世代は何人?社会保険料の仕組みは破綻している」も参考にしてください。

参考ページ

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
詳細プロフィール

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