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103万円の壁が178万円に引き上げ?一番やばいのは106万円の壁撤廃!日本の社会保険負担率は高すぎ

2024年12月14日 更新2024年12月14日 公開

国民民主党が103万円の壁を178万円に引き上げようとしています。しかし、一番やばいのは厚生労働省の悪ノリとも言える106万円の壁撤廃です。撤廃じゃなくてただの改悪です。日本の社会保険の負担率は高すぎます。

103万円の壁とは

103万円の壁とは、所得税が発生する年収のことです。「基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円」の計算です。とばも大学生のときは月8万円になるようにバイト調整していました。

103万円の壁を178万円に引き上げ?

国民民主党の玉木さんが引き上げを進めているのは、103万円の壁です。所得税の基礎控除や給与所得控除額を高くすることで、178万円の壁を目指しています。

103万円の壁があることで働き控えが発生していました。最近は時給も高くなってきたので、アルバイトやパートがたくさんほしい12月になると、働きたくても働けない学生アルバイトや主婦パートが多かったわけです。

最近だと11月くらいで働けなくなる人も増えています。働き控えを解消するのに素晴らしい減税施策です。

ただ、2024年12月14日現在で自民党は123万円までの案を提示しており、自民党に任せていても国民の生活は楽にならないことがわかりました。

自民党は組織票に支えられており、国民の意見は反映しない与党だとわかりました。与党が組織票でなく、国民の民意に支えられるようになれば、国民の生活は楽になります。だからこそ、投票に行くことが大事です。

そして、同時に考えなければいけないのは106万円の壁です。

106万円の壁とは

106万円の壁とは、令和6年10月1日から

の要件を満たした場合、健康保険・厚生年金保険、いわゆる社会保険への加入義務が発生する年収のことです。

106万円の壁撤廃とは

106万円の壁撤廃とは、さきほどの社会保険の加入要件で勤務先の「従業員数51人以上」を撤廃し、週の労働時間が20時間以上の人は年収を問わず厚生年金に加入することになることです。最低時給が低いエリアだと年収106万円以下でも社会保険に加入しなければいけなくなります。

また、130万円の壁もあり、「従業員51人以下」の会社に務めている人が、親や配偶者の社会保険の扶養から外れ、健康保険・厚生年金保険への加入義務が発生する年収のことです。

もし106万円の壁が撤廃されると、週20時間以上働くと社会保険料だけで10万円くらい手取りが減ることになるわけです。自動的に130万円の壁も撤廃されます。

例えば、愛知県だと最低時給は2024年10月1日からは1,077円です。年間週数は52なので1,077円×20時間×52=1,077,000円となります。

月額平均は89,750円となるので標準報酬は88,000円となり4等級となります。40歳以下で介護保険がかからないとして、健康保険料は4,409円(4,408.8円で50銭を超える場合は切り上げ)、厚生年金保険料は8,052円となります。

毎月の社会保険料は12,461円です。12ヶ月分かかるので年間の社会保険料は149,532円となります。えぐー!

令和6年3月分からの健康保険・厚生年金の保険料額表(全国健康保険協会)が参照データ。

社会保険料は会社が半分以上負担

問答無用で社会保険に加入させようとしているわけです。とばは会社経営をしているので、一番気になるのは106万円の壁撤廃です。これ撤廃じゃなくて改悪なんですよね。

国民だけじゃなくて会社経営者にも負担が重すぎるんです。手取りでめちゃくちゃ引かれている社会保険料ですが、実は会社が半分折半して負担しているんです。児童手当拠出金なんかは全額事業主負担となっているから、半分以上社会保険料を負担しているわけです。

これだけ社会保険料が高くなると、国民の手取りも下がるし、会社は社会保険料の折半も考えてしまうから、給料は上がらない悪循環となっているわけです。

会社の負担9割とかひどすぎ

「週20時間働いて保険料が新たに発生する人の場合は、会社側が9割を負担し、年収が上がるごとに会社側の負担割合を減らし、一定水準で半分ずつの負担に戻す制度を想定する。手取り減を緩和することで働き控えを防ぎ、人手不足の解消を図りたい」

という考えがあるそうです。厚生労働省って国民のこと考えてないと思いました。会社の気持ちも考えてないんだなと思います。これじゃあ、もう週20時間以上働かせたくなくなります。むしろ働き控えをさせることになります。

アルバイト雇用すると社会保険料払わないといけないから、アルバイト雇用せずに全員個人事業主で働いてほしいという極論にもなりかねません。

国民への負担が難しければ、全部会社に負担させればいい。そういう考えが国にはあるなと思います。何でも丸投げできると思っているのでは?

こんな政治が続いていけば、日本で働くことがアホらしくなるし、起業しようとする人も減ってしまいます。社会保険の悪循環を断ち切らなければいけません。

国民負担率で一番高いのは社会保障負担率

2023年度の国民負担率は46.8%ですが、社会保障負担率は18.4%で一番高いんです。国民の負担で一番思い税金なわけです。社会保険って厳密には保険ですけど、とばは普通に税金だと思っています。

国民負担率で一番高いのは社会保障負担率」も参考にしてください。

社会保険の仕組みはもう限界!少子化対策が必要

社会保険料は基本的に先送り方式で、現役世代に負担がかかります。昔は12人の若者で1人のおじいちゃん・おばあちゃんを支えていましたが、今は2人の若者で1人のおじいちゃん・おばあちゃんを支える時代です。

今の社会保険の仕組みは限界です。今の仕組みを維持したいなら少子化対策が必須です。でも、今の日本は少子化対策にも本気じゃないですし、国民の負担は考えていないと政治不信になります。

103万円の壁と一緒に社会保険の壁も同じ金額まで加入しなくてもいいようにしないと、結局働き控えは絶対に出るでしょう。少子化対策に本気を出して欲しいです。

1人の高齢者を支える現役世代は何人?社会保険料の仕組みは破綻している」も参考にしてください。

感想

103万円の壁引き上げはうれしいですが、106万円の壁撤廃は最悪です。こんな日本の政治は変えていかないと、社会保険料を支払うために生き、将来年金すらもらえないそんな世界になってしまいます。

若い世代の意見が反映されるように、若い政治家を盛り上げていかなければいけません。少子化は日本最大の問題です。社会保険も今の仕組みを維持しようとするなら、少子化対策が必須です!

頭のいい政治家や官僚は日本の課題が少子高齢化になることはわかっているはずです。だからこそ、少子化対策をする若い政治家を応援していくことが大事です。

そして、日本には103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁など年収の壁が多すぎます。控除なども入れるとさらに複雑です。もっとわかりやすい税金制度にして、働きやすい環境を作ることも大事です。

複雑なことをシンプルにすることが賢者のお仕事です。あといくら働けるのかわからないという人も減らすことも重要です。

参考ページ

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
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