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完全咀嚼のメリット、デメリット

2023年05月11日 更新2020年05月11日 公開

私は早食いです。ワーカホリックなときは、お昼ごはんは5~10分で食べていました。数回噛んで、飲み込むような感じでした。

でもね、食べ物はよく噛んで食べたほうが、健康にもいいです。完全咀嚼のメリット、デメリットをご紹介します。

完全咀嚼とは

「完全咀嚼とは、十二分に咀嚼することで、一番よいのは、食物の形の無くなるまで咀嚼し、完全にすべての食餌がどろどろの液体化するまで嚥下しないこと(中村天風、真人生の探求p259)」

完全咀嚼とは、食べ物の形がなくなるまでしっかり咀嚼し、食べ物がドロドロに液体化するまで飲み込まないことです。完全に液状化して、自然と胃に落ちていくような感じです。

食べ物を完全咀嚼するべき理由

「食物はどんな消化し易いものでも、先ず口腔内で、第一消化を十二分に行うべきである。即ちそのために、上下三十二枚の丈夫な歯が与えられ、その上特殊の消化酵素ともいうべきプテアリン、マルターゼ等を含有する唾液なるものが口腔内においてだけ分泌される、そして咀嚼を入念にすればする程、唾液も分泌もまた一段と旺盛になる。(中村天風、真人生の探求p)」

食べ物は胃の中で消化すると思いますが、口の中で咀嚼することも消化の一部です。口で第一消化を行っているわけです。

そして、食物を消化するために、唾液という特殊の消化酵素が分泌されます。咀嚼をしっかり行えば、唾液の分泌もまた増えるわけです。

このように、口の中で第一消化を行っていると理解すれば、完全咀嚼が重要な理由がわかります。胃で消化するんですが、その前に口で消化の前段階を行うことで、胃に負担をかけなくなるのです。

「口腔内で既に完全に咀嚼を施された食餌が胃の腑に送り込まれれば、胃の腑の行う第二消化も、大してそれに活力を消耗することなく完全に一切を消化し、腸管もまたこうした立派に消化された食物から、遺憾なく栄養を十二分に吸収し得る、というのも口腔内の第一消化が充分に施されているからである。(中村天風、真人生の探求p)」

口の中で完全咀嚼された食べ物が胃に送り込まれれば、胃で行う第二消化もたいしたエネルギーを使わずにすみます。

また、胃の先にある腸でもちゃんと消化された食べ物だから、栄養を完全に吸収することができます。それもこれも、口の中で第一消化がしっかり行われているからです。

「食物の中に在る活力というものは、食物を形成している微粒分子の中に存在しているものであるから、未だ幾分でも形のあるものを、胃の腑に送ると、胃の腑には歯のような粉砕力をもつものがないので、その形の溶解不能のものを、その儘腸管に送る。すると腸管も、十分に分割されていないものからは、活力養分を吸収することが出来ないから、その儘排泄器官に移送してしまう、それも無難に移送されれば始末がよいが、腸管内に在る時の発酵度が平衡を失うと、往々腸の緩慢性自家中毒を誘発する。(中村天風、真人生の探求p260)」

食べ物の中にあるエネルギーは、食べ物を形成している微粒分子に存在しています。そのため、完全咀嚼ができていない形のある食べ物を胃に送ってしまうと、胃で溶かすことができなかった食べ物を、そのまま腸に送ることになってしまいます。

胃には歯がないのです。そのため、腸も完全咀嚼されていない食べ物からは、エネルギーや栄養を吸収することはできません。

それゆえに、完全咀嚼されていない状態のまま、排泄器官に送ることになります。また、完全咀嚼されていない食べ物は発酵しやすいので、腸の中で自家中毒を起こしやすくなります。

完全咀嚼をしないことで、胃、腸、排泄器官に見えない大きな負担をかけていることになるのです。

完全咀嚼のメリット

少ない量で満腹を感じやすい

「咀嚼を完全にすると、平素茶碗で四杯食べないと満腹を感じない人でも、三杯かもしくは二杯半で既に満腹を感じるようになるものなのである。そして自然的にそれ以上を欲しないから、必然的に少食になり得る(中村天風、真人生の探求p259)」

完全咀嚼をすると、普段はご飯を4杯おかわりするような人でも、2.5~3杯くらいで満腹を感じるようになります。それ以上食べたいと思わなくなるので、自然に小食になります。

私は早食いだったので、完全咀嚼をすると、少ない食事量で満腹になれます。コース料理をゆっくり食べると、普段より少ない量でも満腹になるのと同じ理屈です。

食べ物の味を長く楽しめる

完全咀嚼でゆっくり食べると、長い間食べ物の味を楽しむことができます。早食いでたくさん食べても、完全咀嚼でゆっくり少量を食べても、味を楽しめる時間は同じなんです。

それならば、完全咀嚼したほうが経済的ですよね。しかも健康までついてくるし、食費も浮きます。この理屈を知ると、早食いする意味がないなと思います。

食べ物本来の味がわかる

完全咀嚼をするようになると、ご飯やパンなど味が薄い食べ物であっても、食べ物本来の味がわかるようになります。

逆に、化学調味料が強い食べ物は、完全咀嚼しているうちにくどくなり、あまり食べたいと思わなくなります。

歯やあごにもいい

完全咀嚼をすると咀嚼回数が増えるので、歯やあごにもいいです。子供の頃に完全咀嚼を教えてもらっていれば、私は歯科矯正しなくても良かったのかもしれません。

食事代が節約できる

完全咀嚼が習慣化すると、食事量が少なくても満足できるようになります。

また、外で完全咀嚼しようとすると、食べるのに時間がかかってしまうので、周囲に迷惑をかけないためにも注文する量が減るようになります。自然と食事代が節約できるのです。

体調が良くなる

私は片頭痛持ちなので、暴飲暴食をすると片頭痛になりやすいです。また、便秘にもなりやすいです。しかし、完全咀嚼をすると片頭痛にもなりにくいですし、便秘することも減るので快便になりますw

完全咀嚼のデメリット

ただし、完全咀嚼にもデメリットがあります。これは現代の日本社会の習慣上は、仕方がないデメリットかなと思います。健康的なデメリットは一切ありません。

食事時間が長くなる

完全咀嚼は通常の食事よりも咀嚼回数が多くなるので、これまでよりも食事時間が長くなってしまいます。ランチの定食をすべて完全咀嚼しようと思うと、お昼時間が終わってしまうかもしれません。

家でも自分だけ食べ終わらないという状況になりがちなので、周囲の理解が必要となってきます。同調性を求められる日本では、地味に難しい食習慣なのです。

外食だと完全咀嚼ができないこともある

外食だと、完全咀嚼するのが難しいほどの量が出ることがあります。

また、ラーメン屋や定食屋のように回転率重視の店だと、ゆっくり食べることで他のお客さんやお店に迷惑をかけてしまうこともあります。なので、完全咀嚼をしたくても早食いせざるを得ない場合もあります。

実際に完全咀嚼を始めたとき、お昼は外で食べていたので、ラーメンを完全咀嚼するのは大変でした。それまでは10分もあれば食べれたのですが、食べ終わるのに30分くらい時間がかかるのです。

元々早食いだったこともあり、とてもストレスを感じましたね。周囲を気にしない人ならいいかもしれませんが、空気が読めない人にはなりたくないのです。

ちなみに、「お昼抜きの1日2食」を実践すれば、こんなことで悩む必要はありません。夜はお酒飲む人がいれば、ゆっくり食べても問題ないですしね。

完全咀嚼を続けるコツ

完全咀嚼って簡単なんですが、実際に続けるのは難しかったりします。私も食事を早く終えたくて、早食いに戻ってしまっているときがよくあります。

私が早食いに戻りがちなのは夕方です。昼飯抜きの1日2食をしているので、17時くらいにはめちゃくちゃ空腹になります。めちゃくちゃ空腹のときは、本能のためか早食いしてしまうことが多いです。

めちゃくちゃ空腹のときこそ、完全咀嚼をするんだという心がけが大切となります。気を抜くとすぐに早食いに戻りがちなので、ご注意ください。

あと、朝時間がないときも早食いに戻りがちです。時間に余裕を持って食事を取ることも大切です。タイムイズマネー!

感想

完全咀嚼は食べ物の形がなくなり、完全に液状化するまで咀嚼するだけの簡単なお仕事です。早食いすることなく、完全咀嚼で経済的に食事を楽しみましょう。

ちなみに、完全咀嚼と1日2食をセットにするとめちゃくちゃ健康になります。「昼食抜きの1日2食にするメリット、デメリット」も参考にしてください。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員、日本維新の会
IT・Web会社の社長
詳細プロフィール

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