暗示とは?人は暗示の世界に生きているので、悪い暗示に操られないようにしたい件
暗示とは催眠術のようなものだと思っていませんか?実は、宇宙にあるものはすべて暗示になります。人は暗示の世界に生きていると言えるので、悪い暗示に操られないようにしたい件をお伝えしたいと思います。
暗示とは
「暗示について心理学はこう定義している。「暗示とは、人の精神に無条件に同化感化の力を働きかける事実現象なり」と。そして、こうした働きを行う暗示となるものは、凡そ次の四種類に分類される。
(1)言語
(2)文字
(3)行動
(4)現象、等(中村天風、真人生の探求p117~118)」
暗示とは、人の心に影響を与える無条件で影響を与える事実現象と、心理学では定義されています。言語、文字、行動、現象などが暗示として分類されています。
現代ではテレビ番組の影響で、心理学をマスターした人が催眠術をかけるのが暗示だと思われていますが、実際には人の心に影響を与えるものは、全て暗示になるということです。
人は暗示の世界の中で生きている
「宇宙間のありとあらゆる事物事象は悉く人の心に同化もしくは感化を与える暗示になるといえる。即ち、人間社会の習慣も風俗も乃至は教育も何れも暗示の連続的作用に外ならないのである。もつと卑近な例を挙げれば、多くの人々が流行を追うことや、何かの出来事に付和雷同する群集心理の動きや、更に、映画や、演劇や、講談、浪花節等に感動するようなことも、詮じ詰めると皆、暗示に同化感化するためなのである。この見地からすれば、人はだれでも暗示の世界の中に活きているといって差し支えないのである。(中村天風、真人生の探求p118)」
宇宙にある全てもの物現象は、人の心に影響を与える暗示なのです。この社会で当たり前だと考えられている日々の習慣、文化、教育もすべて暗示なんです。
連続して暗示を受けることで、こうあるべきだと思い込まされているわけです。この事実に気づくと、自分が悪い暗示に影響されていることがわかって怖いですw
流行、映画、群集心理も暗示
わかりやすい例で考えると、ファッションや音楽の流行を追いかけることも暗示です。また、芸能界のニュースの流れに同調する群集心理も暗示です。芸能界の過去の不祥事に関して、執拗に非難し続けるのは、まさに暗示による群集心理となるわけです。怖いわ。
また、映画や舞台やドラマに感動することも、暗示になるわけです。お笑いも暗示になります。こう考えると、人はみな暗示の世界の中で生きているといえます。私はこれが本当にすごいなと思います。
自分では暗示だと思っていなかったけれども、自分が気づかないうちに暗示の影響を受けているのです。知らないうちに、こうあるべきだという催眠術にかけられているようなものですよね。
このことに気づかないと人生怖いなと思いました。価値観さえも暗示に操作されていたんだなと気づけました。
他面暗示と自己暗示がある
「暗示には、他面暗示というのと、自己暗示という二つの種類がある(中村天風、真人生の探求p118)」
暗示には、「他面暗示」と「自己暗示」があります。
「他面暗示とは、文字どおり自分外の他面から自己の精神に来る暗示のことで、自己暗示とは、自己自身、自己の精神に与える暗示のことをいうのである。(中村天風、真人生の探求p119)」
他面暗示とは、自分以外の他者や物から受ける暗示のことです。テレビで催眠術師が催眠術をかけるのは、まさに他面暗示のイメージです。一方、自己暗示とは、自分が自分の心に与える暗示のことです。
暗示の感受作用とは
「暗示の中には、積極的なものと、消極的なものとあって、人の精神はだれでもこの暗示というものに、感化同化する作用がある。これ即ち、暗示の感受作用というのである。(中村天風、真人生の探求p118)」
暗示の感受作用とは、人の心が暗示の影響を受けることで、思想や考えまで暗示と同じになってしまう働きのことを意味します。
また、暗示には積極的な暗示と消極的な暗示の2種類があるので、暗示を意識しないでいると、消極的な暗示の影響を受け、消極的な考え方の人間になってしまうリスクがあるわけです。
暗示に対して否定的だと、暗示の影響は小さくなる
「暗示に対して「反抗」もしくは「拒否」或いは「否定」という精神状態が生ずると、その暗示を感受する効果が著しく減殺される(中村天風、真人生の探求p118~119)」
暗示に対して、「反抗」「拒否」「否定」と感じると、暗示の影響が小さくなります。催眠術の番組でも、催眠術に懐疑的な人であるほどかかりにくいことから、おわかりいただけるかなと思います。
暗示の感受作用は、心の強さに左右される
「人間の心の強弱に従い、その状態のとおりに感受作用というものは作用するものなので、従って心の弱い人の暗示感受作用は、消極的の暗示事項には、即座に迎合するが、反対に積極的暗示に対しては、前記の「拒否」「否定」を行って、これを受付ないという事実があるのである。特にこの傾向は他面暗示に対して顕著であることは、注目すべきである。(中村天風、真人生の探求p119)」
暗示の感受作用は、心の強さと弱さに連動しているので、心の強さのとおりに働きます。
そのため、心が弱い人の暗示感受作用は、消極的な暗示にはすぐ影響を受けますが、積極的な暗示に対しては拒否や否定の心となり、積極的な暗示は受けつけなくなってしまうわけです。
そして、自己暗示よりも他面暗示に対してこの傾向は強くなってしまいます。だから、自分で立ち直らないと、なかなか積極的になれなくなるわけです。
「心の弱い神経過敏の人に、積極的の生活法や、養生法が、容易に採用されないのもこのためで、そういう種類の人に限って、自分の様な先天的に弱い体のものは、かえって積極的の方法は、障るとも効果はないというように、頭から拒否なり否定を施してしまう。
また更に、不良性に傾いている人などは、先輩や父兄の善良な忠告を耳にも入れず、空吹く風と聞き流して鼻の先で笑って受けつけないというのも、また前記の理由に依るものなのである。(中村天風、真人生の探求p119~120)」
消極的で心が弱い人に対して、積極的になるようにいろんなアドバイスをしても受け入れてもらえないのは、消極的な暗示だけを受け入れ、積極的な暗示を受け取ろうとしないことが理由です。そして、心が弱い人に限って、
「私にはそんなやり方は合わない」
「そんなことしても効果はない」
と頭ごなしに、積極的な方法に対して否定をしてしまうわけです。また、グレてしまっている人に対しても、まっとうな道に戻るように正しいアドバイスをしても、なかなか受け入れてもらえません。
心が消極的になってしまっているので、積極的な暗示である正しいアドバイスを、受け入れることができないのです。そして、どんどん悪の道へ進んでしまうのです。
自分で積極的な暗示を受け入れられるようにならない限りは、消極的な暗示のループから抜け出せないのです。貧困スパイラルや「団地スパイラル」と構造は同じです。では、一体どうすれば自分を変えられるのでしょうか?
人間は疑い深い!自己暗示で心を積極的にする
「人間は疑い深いという心理を習性的にもっている(中村天風、真人生の探求p115)」
人間は疑い深いという心理習性を持っています。人のことはあまり信用していないわけです。でも、こういう疑い深い人でも絶対に信用できる人がいます。それは自分です。
「自己暗示の場合には、それが特に自己を改善しようとか、向上せしめようとかいう正当欲求から施される時には、その暗示感受作用の状態から受ける影響は、他面暗示と比較して極めて尠少なのである。(中村天風、真人生の探求p120)」
自分を良くしようという、正しい心の要求からくる自己暗示であれば、他面暗示と比べて暗示の感受作用の働きを受けにくくなります。そのため、自己暗示を通じて自分を積極的にさせることが可能となるのです。
自己暗示誘導法で心を積極的にしよう
そこでおすすめなのが「自己暗示誘導法」です。自分に自分で暗示をかけることで、どんどん積極的な自分を作り上げることができます。
暗示の分析も行おう
この世界は消極的な暗示ばかりなので、常に暗示を分析して積極的な暗示だけを受け入れましょう。そして、消極的な暗示を積極的な暗示に変えてしまいましょう!「暗示の分析」を常に行いましょう!
感想
中村天風氏の考え方を理解するうえで「暗示」はとても重要です。そのため、しっかりと「暗示」について解説させていただきました。ただ、まとめを読んでわかるものでもないので、「真人生の探求」をぜひ読んでみてくださいね。
宇宙にあるものはすべて暗示であり、人間は暗示の世界の中で生きているのだなとわかると、自分が悪い暗示に影響されていたことに気づきます。
だから、自分はこんなにも消極的な感情に苦しみ、いろんな人を傷つけて生きてきたのだと思いました。そして、それがこの社会では当たり前だと悪い暗示を刷り込まれているから、悪い人生の結果になっていたんですね。
これからは悪い暗示は受け入れず、良い暗示だけを受け入れて生きていこうと思います。悪い暗示になんて影響されるな!