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マイナンバーカードの普及促進と自治体DX推進計画の関係

2023年08月23日 更新2023年08月23日 公開

マイナンバーカードや保険証廃止問題が騒がれていますが、自治体DX推進計画にはマイナンバーカード普及について盛り込まれています。自治体DX推進計画とマイナンバー普及促進の関係性をご説明します。

マイナンバーカード

2022年度末にマイナンバーカード普及の予定だった

「2022年度末に、ほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すとの方針で、マイナンバーカードの利活用拡大等の国民の利便性を高める取組を推進するとともに、市町村における交付体制の強化に向けた支援を行うなど、適切な広報も含め、マイナンバーカードの普及に取り組む。」

元々は2022年度末には、ほぼ全国民にマイナンバーカード普及させる予定でした。マイナンバーカード普及はだいぶ進んでおりますが、全国民に行き渡っている状態ではありません。

マイナンバーカードの保険証利用も盛り込まれていた

「オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、2023年4月から導入を原則として義務付けるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直す。2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す。」

マイナンバーカードを保険証として利用し、保険証を原則廃止するのは既定路線だったようです。

最近のマイナンバーカードのトラブルを見ていると、最初は問題になりそうな保険証ではなく、運転免許証あたりから対応すればよかったのにとも思ったりします。

ただ、保険証でマイナンバー管理できるようになると、レセプト対応、医療費控除、医療費の削減などに役立つので、最初にマイナンバーカード対応させたくなる気持ちはわからなくもないです。

ただ、全国民で対応となるとミスは必ず発生するものなので、ミスしても大問題にならないことから始めたほうが良かったようにも思います。

マイナンバーカードの利用方法

マイナンバーカードが持つ本人確認・認証機能を、デジタル社会の基盤として徹底的に利用し、電子証明書以外の活用も促進する予定です。

具体的には、健康保険証、公金受取口座の登録、運転免許証や在留カードとの一体化に向けた準備を進めます。また、以下3つの取組を進めていく予定です。

オンライン市役所サービスの充実

「オンライン市役所サービス」を充実させるため、2022年度中には、引越手続のワンストップ化を実現するとともに、子育て・介護などの31手続におけるオンライン手続を、原則、全ての地方公共団体で行えることを目指すとのことです。

また、居住する市町村をはじめ、様々な行政機関から各市民へのお知らせを的確にお届けできる仕組みの構築を進めるとのことです。

実際、マイナンバーカードがないと、オンライン市役所サービスの実現は難しいです。市役所のデジタル対応をしていきたい派なので、デジタル化の恩恵とマイナンバーカードの反発のバランスを考えるのが難しいなと感じます。

市民カード化

マイナンバーカードの「市民カード化」を進めるため、図書館カード、市町村の施設の利用証等、生活の様々な局面で、マイナンバーカード1枚をかざせば済むよう、その全国展開を目指し、地方公共団体による市民カード化の動きを、地方公共団体と緊密に連携し、デジタル田園都市国家構想の実現推進に向けた各種支援制度も用いて、後押しするとのことです。

市民カード化は便利だと感じるので、推し進めるべき政策だとは思います。でも、ここまで反発されたのは、マイナンバーを個人情報だからバラしてはいけないとした初動方針にあると思います。

初動方針からの軌道修正ができていないのと、自治体DX推進計画の説明がわかりにくいので、国民の誤解を招くんだろうなと感じました。行政の資料は本当に読み込むのが難しい。

民間電子商取引の促進

マイナンバーカードの民間ビジネスにおける様々な局面での利用を進めるため、電子証明書手数料を当面無料にするなどの検討を行うとのことです。

また、今年度には、マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマホ搭載を進めていくなど、便利なマイナンバーカードの実現に向けて、いろいろな角度から取り組んでいくとのことです。

マイナンバーカードはいずれ、スマホ搭載が基本になっていくと思います。どんどん便利な世界になっていきますね。

ちなみに当面無料というのが、国の恐ろしいところですが、

マイナンバーカードを活用したオンライン取引等の可能性について」の31~32pを見る限り、そこまで高くならなそうなので一安心です。

個人的には、電子証明の面倒臭さ&お金がかかることが、国のデジタル化を妨げているように感じます。

e-taxもだいぶ使いやすくなりましたが、会社の決算だと電子証明でお金もかかるし、手続きも面倒なんですよね。

そのため、中小企業経営者、個人事業主は使わないことが多いんですよね。電子証明関連はもっと簡単な仕組みでもセキュリティを強化して、気軽に使えるようにしてほしいところです。

交付税も検討

2023年度から、マイナンバーカードの普及状況なども踏まえつつ、マイナンバーカードの交付率を普通交付税における地域のデジタル化に係る財政需要の算定に反映することについて検討するとあります。

2023年度に、マイナンバーカード保有率が73.25%を超えた市町村を優遇する形で、500億円を配分するとニュースに出て話題となりました。

<参考情報>

参考ページ

感想

マイナンバーカードの普及と計画については、計画より少し遅れています。また、マイナンバーカードの登録ミス問題もあり、国民感情がマイナンバーカードに反発している状態になってしまいました。

マイナンバーカードの普及を一気に推し進めようとすることが、問題だったかなと思います。ただ、マイナンバーカードがないと、自治体DX推進は難しいなと感じるのも事実です。

個人的には、マイナンバーなしで国民を管理していたことにびっくりしています。ユニークIDというのは、システムやサービスの根幹だし、個人を特定することができないからです。

そんな管理状況だったからこそ、年金問題とか起きたわけです。

マイナンバーカード廃止の声はよくいただきますが、DX対応を進めるためにも、マイナンバー管理だけはちゃんとしてほしいところです。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
IT・Web会社の社長
詳細プロフィール

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