緑丘小学校北館校舎トイレ改修工事に関する議案質疑(議案32号)
武豊町議会令和5年第2回定例会、議案第32号「緑丘小学校北館校舎トイレ改修工事請負契約の締結について」に関する議案質疑となります。
議案の詳細
工事概要
工事名:緑丘小学校北館校舎トイレ改修工事
路線等の名称:緑丘小学校
工事場所:知多郡武豊町字長宗一丁目1番地内
工事請負金額:52,690,000円
請負契約者:石川建設株式会社
契約方法:事後審査型一般競争入札
緑丘小学校北館校舎トイレ改修工事を行う。
└1・2・3階トイレ、各階大便器6箇所、小便器4箇所
入札状況
入札参加業者及び入札結果(税抜)
石川建設株式会社:47,900,000円
入札執行日:令和5年5月19日午前10時01分
予定価格(税抜):49,460,000円
最低制限価格(税抜):44,746,000円
入札回数:1回(予定価格を事前公表したため)
以上の結果、下記のとおり決定
最低入札者:石川建設株式会社
請負金額:52,690,000円
(うち、消費税及び地方消費税額4,790,000円)
工期:契約締結の翌日から令和5年10月13日まで
この内容がどうなっているのか、議案質疑を行いました。
予定価格の計算方法について
予定価格の算出方法はどうなっているのか?
回答
工事価格の算出にあたっては、愛知県建設局の定める「建築工事設計・積算参考資料」に基づく積算基準と、「公共建築工事積算単価表」による設計単価等に基づき、人・機械・材料にかかる金額を積み上げた工事費に、諸経費を合算しております。その工事価格を予定価格としております。
なお、設計単価表に記載のない場合は、物価資料や複数者からの見積りにより、設計単価を決定しております。
工事や価格の内訳について
緑丘小学校北館校舎の・1・2・3階トイレ、各階大便器6箇所、小便器4箇所とあるが、詳細な価格内訳はどうなっているのか(大便器1ついくら、小便器1ついくら、関連工事の詳細などの費用、全体の便器の数などを希望)?また、詳細な見積書はあるのか?
回答
全体の便器の数につきましては大便器洋式12箇所、和式6箇所、小便器12箇所です。
1台あたりの金額は、大便器の洋式で182,000円、大便器の和式で91,500円、小便器が76,600円となります。本工事の価格の内訳につきましては、
建築工事:約160万円
電気設備工事:約300万円
撤去工事約:940万円
便器を含む機械設備工事:約730万円
そこに、現場事務所などの共通仮設費等の諸経費を加えた価格が総額となります。
和式トイレを設置する理由
回答
洋式が多いが、一部肌の接触が苦手な子どもさんがいるので、和式トイレを設置している。1年生、2年生、3年生といったクラス近くのトイレには、洋式トイレのみで和式トイレは設置しません。
*あくまで北館に和式トイレがないと困る児童向けに、和式トイレを設置したとのこと。
大便器のプライベート確保について
大便器は上や下から覗けないような、プライベートを確保できるような設計になっているのか(いじめ発生対策)?
回答
プライベートの確保については、個室のブースの高さは2m、下部の床面との幅は、6cmとなっており、いじめ・いたずらへの対応も含め、プライベートを確保できる設計となっております。
その高さの理由は?
学校で使うのは生徒。上と下の完全密閉して施錠することは、安全面で配慮にかけることが理由です。無理をすれば中が見えるようにしています。
男性小便器にトイレの仕切りがない理由は
学校のほうでそういった詳細の設計については、学校と調整して進めている。学校側の配慮のうえで仕切りは設けないで大丈夫となった。
トイレの基準は事業所、利用のしやすさなどは学校の先生が決めている。学校の先生の主観や風土で異なるので、近くで見られている先生のご意見が強くなる。
また、PTAのご意見もある。しかし、PTAには今回のようなトイレ設計に関する課題はあげていません。
また、過去のトイレから問題がないと認識しており、仕切りをつけていない。
一次請けなどの流れについて
一次請け、二次請けといった流れはあるのか?また、その場合はどの会社に外注をしているのか?
回答
工事における下請負の状況につきましては、現時点においては把握できません。なお、元請業者が下請負を行う場合には、作業内容の種類ごとに専門業者が、下請負者となることが多いものと認識しております。
入札方法について
入札方法はどうやって決めているのでしょうか?
回答
入札方式は、地方自治法第234条、および、武豊町建設工事等請負業者選定要領に基づき決定しております。
要領に基づき、設計金額が1億5千万円未満のものは事後審査型一般競争入札、設計金額が1億5千万円を超えるものは、制限付き一般競争入札にて入札を行います。
トイレ内訳の議論が必要
今回はトイレ内訳の議論をされることなく、議案が契約締結の流れまで来てしまっていたので、内容の変更をするのは難しい状況でした。予算を締結するかどうかの議案だからです。
ただ、男女共用の個室トイレの設置も検討してほしかったです。LGBTの配慮も必要で男女共用トイレも今後必要になっていくでしょうし、完全個室のプライベートトイレがあってもいいと思うのです。
1Fならバリアフリーにも配慮しやすいので、来学した人にも便利です。また、親が学校に行くときに、どのトイレを利用しようか悩むのも正直なところです。親が学校参観に来たときにも便利です。
そして、北館のトイレはクラスからは離れたところに位置しています。調理室、音楽室などの近くにあるトイレとなっており、クラスから離れた少し独立したトイレとなっています。
私も緑丘小学校の卒業生なので、北館のトイレは調理室や音楽室で授業があるとき以外は、あまり利用していませんでした。
そういうトイレだからこそ、和式しか使えない児童向けのトイレの設置エリアとしてもいいと思います。また、完全個室のトイレを2つ設置してもよいとも思いました。
ただし、3階は特別教室利用時のトイレとなるので、議案の設置内容でいいと思っています。それ以外のトイレを、もっと内訳を検討したかったところです。
5,000万円の予算もかかっているトイレなので、従来通りのトイレではなく、これからを見据えたトイレにしたかったです。
感想
公共工事の価格決定は、武豊町で決められる要素が少ないなと感じました。国や県の価格決定の仕組みがあるからです。ただ、トイレの工事ってこんなに高いのかなと疑問に思いました。
また、和式トイレの設置に関する方針は興味深いところだなと思いました。洋式トイレのほうが清潔のように私は思うのですが、和式トイレのほうが清潔だと思う人もいるそうです。
また、予算に出てきた段階で設計内容まで把握して質疑しないと、こういった議論はされないまま予算が執行されてしまう流れだとわかりました。
今後、予算で気になったところは、内容の内訳データまでもらえないと、正しい質疑をすることは難しいなと思いました。
ただし、部署に確認しても、そういうデータや資料を気軽にもらえないのは、情報公開のあり方として非常に疑問を感じました。
お互いの工数をかけることなく、必要なデータは参考資料として前もってもらえるか、情報共有フォルダなどで議員がファイルをダウンロードできる仕組みにしてほしい。
とはいえ、初めての議案質疑ですので、次の議案質疑での進め方を学べてよかったです。これから、どんどんレベルアップできるようにがんばります。
仕様が決まったあとの入札だったので、何もできませんでしたが、これからはこういった議論がちゃんとできたうえで、採決される流れにできればなと思いました。
最後に、児童の教室近くのトイレはすでに改修しており、北館のトイレは緊急で改修する必要はないと思います。5,000万円もの予算をかけるなら、今後のことも考えたトイレ設計にしてほしいなと思いました。
北館トイレの改修は賛成だけど、トイレの内訳はもっと精査が必要です。そのため、部分賛成、部分反対の意味も込めて、この議案は反対させていただきました。賛成多数で可決されているので、ご安心ください。