積極観念の集中法
積極観念の集中法とは、積極観念の集中力を高める5つの方法のことです。
積極観念の集中力を高める理由
「感応性能を積極化するのに、積極観念の集中力を養成せねばならないかというと、平素どれほど前述の方法だけを実行しても、一方この積極観念の集中力を養成することを実行しないと、何分にも長い間悪いと知らずに、消極的観念生活を無意識的に行っていたというような人や、神経過敏の気の弱い人などは、折角熱心に自己暗示誘導法を行って精神生命の強化を計画しながらも、日常の人生に処する際、いつしか知らぬまに心を消極的方面に傾注するという怖れがあるためである。そして、そのため折角熱心に努力して実行している自己暗示誘導法の奏効率を阻止することとなるからである。(中村天風、真人生の探求p154~155)」
感応性能を積極化するためには、積極観念の集中力を高めることが必要です。「自己暗示誘導法」を実行していても、積極観念の集中力を高めていなければ、心が消極的になってしまうからです。
これでは、自己暗示誘導法の効率が悪くなってしまいます。そのため、積極観念の集中力を高めることが重要になるのです。
悪い結果になることがわかっていても、明るいことだけを考える
「常住自己の心を人生の明るい方面にだけ向ける努力をすることである。
もっと分かり易くいえば、たとえ、その事の結果が当然暗くなるであろうことが分っている場合でも、心は絶対に明るく保持することに努力するのである。(中村天風、真人生の探求p155)」
積極観念の集中を高めるためには、人生の明るいことだけを考えるようにすることです。たとえ悪い結果になることがわかっていても、心だけは絶対に明るくすることが大事です。
ポジティブシンキングをすればいいのです。不幸なことが起きても、幸運のための試練だと思えばいいように、どんなことも明るく考えてあげればいいだけなのです。
観念と気の関係も知っておこう
「宇宙現象の根源をなすところの「気」というものは(+プラス)の「気」と(-マイナス)の「気」の二種類に分別される。そして、プラス=+の「気」は、建設能造の働きを行い、マイナス=―の「気」は、消滅崩壊の働きを行って、生々化々の現実化のため、常に新陳代謝の妙智を具顕しているのである。(中村天風、真人生の探求p171)」
宇宙現象の根源をなしている「気」には、プラスとマイナスがあります。プラスの「気」は建設能造の働きを行い、マイナスの「気」は消滅崩壊の働きを行います。
生々化々を現実化させるために、常に「気」がこの世界の宇宙の新陳代謝を現実化しているのです。
「人間の心の中の観念が万一消極的だと、マイナスの気と生命が無条件で結合することになり、積極的だと、プラスの気と即座に結合するように、これまた自然の創意で出来ているのである。(中村天風、真人生の探求p171)」
人間の心の中にある観念が消極的だと、マイナスの気と無条件で結合してしまうことになります。一方、積極的観念だと、プラスの気とすぐに結合するように、自然の摂理でできているのです。
「気の弱い、消極的観念の保持者である感情家や、神経過敏の人というものが、とかくその健康や運命が不良なのは当然のことなので、消滅崩壊を行う「気」を多分に自己の生命に喚び入れるからである。
反対に、積極的観念の保持者が、常に、健康も運命も順調良好なのは、建設能造の「気」がその生命に灌流されるからである。(中村天風、真人生の探求p171~172)」
だから、消極的な考え方ばかりするような、気の弱い人や神経過敏の人の健康や運命が悪いのは、当然のことなのです。なぜなら、消滅崩壊を行うマイナスの「気」を、自分の生命に呼び込んでいるからです。
反対に、積極的な考え方をする人の健康や運命が良いのは、建設能造を行うプラスの「気」が、生命に流れ込んでくるからなのです。
感想
積極観念の集中法はめちゃくちゃ重要な考え方ですが、しっかり本を読んでもわかりにくい理論です。「真人生の探求」を何度も読み返して、理論を理解することをおすすめします!