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負け犬ロックとは?かっこよさや不良っぽいだけがロックじゃない

2023年01月23日 更新2020年03月03日 公開

ロックンロールってかっこいいイメージや、不良っぽいイメージを持っていませんか?負け犬はロックじゃないと思っていませんか?私は負け犬ロックこそかっこいいと思っています。

負け犬ロックとは

負け犬ロックとは、負け犬だからこそ書ける歌詞をベースとしたロックのことです。自分がうまくいっていない状況を、あえて歌詞にしているわけです。

例えば、理想に満ち溢れていた若者がいたとします。若者がおっさんになったときに、現実と理想の違いに直面し「こんなはずじゃなかった…」という歌詞をベースにロックをする。これこそ、負け犬ロックです。

元々ロックって、はみ出しものから生まれた音楽のように思います。負け犬のための音楽だったはずです。それが最近「ロックンロール=かっこいいもの」みたいに、とらえられているだけのような気がします。

もちろん、ロックンロールは人それぞれだから、かっこいいロックもロックです。でも、負け犬のロックもロックなわけです。

ブルーハーツはポップロックだと思われがちです。ポップロックだと思う人からすれば、ブルーハーツはポップロックになります。

しかし、ブルーハーツが自分たちのことをパンクロックだといえば、ブルーハーツはパンクロックになるのです。だから、勝っていようが、負けていようがロックはロックなのです。

40歳を超えたおっさんの負け犬ロックは心に響く

人生ってうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。だからこそ、うまくいっていない人生の歌詞は、心に刺さるんですよね。

そして、私は一定の実力のあるミュージシャンで、40歳を超えたおっさんの負け犬ロックが好きです。なんかもう、めちゃくちゃ心に響くんです。

まず、音楽を続けるのは本当に難しいことです。音楽だけで生活できているミュージシャンもいれば、アルバイトをしながら音楽をしているミュージシャンだっています。サラリーマンをしているミュージシャンだっています。

でも、多くの人は途中でミュージシャンであることをやめてしまいます。どんな職業の形であれ、40歳を過ぎて音楽をしている人って、そういう次元を飛び越えているんですよね。

「この年になっても音楽を続けていいんだろうか」
「音楽で生活できるんだろうか」

なんて意見は超越しています。心の底から音楽がやりたいからやってるだけです。だから、歌に魂があるというか、めちゃくちゃ響いてくるんですよね。音楽が自分の道だとわかって、音楽を続けることはすごいことなのです。

もう勝ち負けの次元ではないわけです。音楽に勝ち負けなんてなかったことに気づいているんです。だからこそ、負けているときは等身大の負け犬の歌詞を書けるのです。魂の叫びだから、心に響くんだと思います。

かっこいい負け犬ロッカーたち

私が好きな負け犬ロッカーは、フラワーカンパニーズと町田直隆です。全部の歌が負け犬ロックではないのですが、彼らの負け犬ロックな歌は心に響きます。そして、かっこいいのです。

フラワーカンパニーズはライブバンドとして復活した

フラワーカンパニーズはメジャーデビューしましたが、インディーズとして活動することになりました。メジャーデビューからインディーズになるって、バンドを続けるかどうかの瀬戸際になりがちです。

でも、フラカンはバンドを続けました。そこから精力的に活動をしていきます。インディーズのときは、SET YOU FREEによく出演していました。

私も大学の頃に、SET YOU FREEでフラカンを見ました。すごいかっこいいんですよね。地元のバンドとはレベルが違うし、ライブをするたびにお客さんは増えていきました。

そうやって、ライブで地道にお客さんを増やしながら、フラカンはメジャー復活しました。そういう負けてから勝った経験があるからか、フラカンって哀愁漂う曲が多いんですよね。

「深夜高速」は有名です。これぞまさに、負け犬ロックの代表曲だと勝手に思っていますw

「ロスタイム」や「感情七号線」もいいです。最近だと「ハイエース」が本当に心に響きますね。いつまでこんなの続けられるんだろう?

町田直隆はバンジー解散後の負け犬ロックがすごい

町田直隆もSET YOU FREEで知ったのですが、BUNGEE JUMP FESTIVALが解散してからはかなり暗黒時代に突入したように思います。

「さらばディズニーランド」とか「オリオン座流星群」とかすごい悲しい歌なんです。当時町田直隆の歌を聞いていた自分もズタボロでした。なので、なおさら心に響いていたわけです。

これぞまさに、負け犬ロックって感じなんですよね。負け犬のダサさを超越して、めちゃくちゃカッコよくなっているわけです。

最近の町田直隆は地道にライブを続けているので、お客さんもしっかりいます。ライブパフォーマンスもすごいし、ライブは面白いです。

量産型タイプのミュージシャンなので曲に当たり外れはありますが、いい曲は本当にいい曲なのです。「歌い忘れていた歌」も負け犬ロックの名曲だと思います。

最近だとmoke(s)として、バンド活動を復活させています。LOST IN TIMEに椿屋四重奏だなんて豪華過ぎるメンバーです。これまでの努力が認められているから、こういうバンドを結成できるんだと思います。moke(s)はもっと評価されてもいいと思う。

ちなみにバンジー時代の歌も好きですよ。「不良少年マーリー」なんか、まさに負け犬ロックですよね。名曲だと思っています。

感想

負け犬ロックだから伝わるかっこよさもあります。勝つだけがかっこいいわけじゃない。負けることがかっこいいときだってあるんだよ。負けて勝つことはよくあるお話なのです。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
IT・Web会社の社長
詳細プロフィール

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