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急な選挙で自治体はパンク寸前!残業代は500万円超?解散総選挙の選挙事務の裏側

2026年01月27日 更新2026年01月27日 公開

急な選挙で自治体はパンク寸前!残業代は500万円超?解散総選挙の選挙事務の裏側を現役町長が解説

急な解散選挙のその裏で、自治体職員はボロボロに疲弊しています。現役町長の視点で急な解散選挙で選挙事務がどれだけ大変なのか解説します。

準備期間が短すぎ

まず、今回のスケジュールを見てください。

1月10日に総務省から「準備せよ」と緊急通知が届きました。
1月23日に衆議院解散。正式に「2月8日投開票」が決定しました。
そして、1月27日の公示日まで、わずか4日間です。

準備すること多すぎ

この短期間で、これだけのことを同時並行でやるんです。

・数万人の選挙名簿作成
・町内各所へのポスター掲示板設置
・選挙ハガキの印刷・郵送
・投票所の確保と運営
・選挙公報の全戸配布
・選挙管理委員会準備

などなどこれ以外にも細かいタスクはたくさんあります。しかも、通常業務も抱えながら選挙準備を行うため、職員は休日返上で残業前提で準備しなければいけません。

3月議会もあるし、物価高対策もある

さらに、自治体は3月議会に向けて予算審議の準備をしなければいけません。これはかなり大変なんです。自治体にとっては一年の集大成ともいえる予算作りです。

しかも、国が自治体に出した物価高対策も、今まさにスピード感を持って進めなければならないタイミングです。自治体にとっては一年の集大成である予算作りと、切実な物価高支援策。そこにこの選挙が重なりました。

武豊町は臨時議会を1月29日に設定していたので、その準備も並行しています。

イベント中止もお願いしないといけない

また、投票所にすでにイベントや予定が入っていると、「選挙なので中止してください」とお願いに回らないといけません。

選挙慣れしている団体さんならいいけど、そうでない団体だとかなりのクレームが出ることもあります。謝るのも自治体職員の仕事となるのです。

国民審査の二度手間がやばい

さらに今回、現場を悩ませているのが「最高裁判所裁判官国民審査」の二重事務です。衆院選の期日前投票は1月28日から始まるのに、国民審査は2月1日からなんです。

つまり、1月中に期日前投票に来た方は、国民審査のために「また後で来てください」と言われてしまいます。

「二度手間だろ!」というクレームは、窓口の職員が受け止めなければいけません。本当は私たちだって、一度に済ませてあげたい。でも、法律のルールでこればかりはどうしようもないんです。

急な解散選挙で日程がずれたのに、こんなに選挙事務を頑張っている職員が怒られなければいけないわけです。みなさん、怒りたくなってもそれは急な選挙日程を決めた人たちの都合です。自治体職員はどうぞ褒めてあげてください。

解散選挙の税金高すぎ

最後に、解散選挙にかかる費用はいくらでしょうか?
全国では850億円以上と言われております。武豊町だけでも約1,800万円の予算を組んでいます。

残業代:約535万円
会計年度職員の人件費:約191万円
選挙公報配布委託料:約314万円
選挙ハガキなどの通信運搬費:約299万円

これ、すべて皆さんの大切な血税です。選挙はとても大切なものですが、これだけ皆さまの血税が使われていることも知ってほしいです。

怒らないでね

そして、職員は、その重みを分かっているからこそ、1円も、1票も無駄にしないよう、不眠不休で働いています。投票するときに職員を見かけたら、心の中で「お疲れ様」と声をかけてあげてください。その一言が、彼らの明日への原動力になります。

また、急な選挙で、選挙ハガキが届くのが遅れるかもしれません。でも安心してください。次回は、「選挙ハガキがなくても投票できる理由」を解説したいと思います。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町長
詳細プロフィール

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