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なぜお金持ち自治体が財政破綻の危機に?愛知県碧南市の財政非常事態宣言から学ぶ、あなたの街の未来

2025年11月11日 更新2025年11月11日 公開

武豊町長のとばひさしです。突然ですが皆さんは「お金持ちの自治体」と聞くと、どんなイメージがありますか? 税収がたっぷりで、住民サービスも充実していて、財政なんて「安泰」。そう思いませんか?

もしそう思っていたら、その常識は、もう通用しないかもしれません。今日は、愛知県にある「お金持ち自治体」である碧南市が出した、ある「宣言」についてお話しします。これは、皆さんの街の未来にも直結する、本当に大切なお話です。

お金持ちの自治体で何が起きているか?

その宣言とは、「財政非常事態宣言」です。

「非常事態」なんて、穏やかじゃないですよね。

実はこの碧南市、愛知県の中でも非常に豊かな自治体で、いわゆる「不交付団体」なんです。

わかりやすく言うと、国から「今月ちょっと苦しいから仕送りして」という援助(=地方交付税)をもらわずに、自分たちの税収だけで行政を運営できる、自立した「お金持ち」の自治体のことです。

「え? お金持ちなのに、なんで非常事態?」

そう思いますよね。私も最初聞いたときは、本当に驚きました。一体、碧南市で何が起きているのか。知ってほしいことが3つあります。

支出の爆発的増加

1つ目。それは、「出ていくお金である支出」が爆発的に増えていることです。

皆さんのご家庭でも同じだと思いますが、今の日本、「物価高騰」「人件費の上昇」がスゴイですよね。行政サービスも同じで、モノの値段や人件費が上がれば、それだけ多くのお金が必要になります。これが行政にも大きな支出の原因となっているんです。

また、物価高騰と人件費の上昇により、建設費が高騰しています。そのせいで公共施設にかかる費用がめちゃくちゃ高くなっているんです。

古い建物を修理したり、新しく建て替えたりするのには、これまで以上に莫大なお金がかかってしまうんです。

公共施設の数が多いほど、費用はかかってしまうんです。碧南市はこれまで豊かだったので、たくさんの公共施設を作ってきました。

これには裏事情もありまして、前市長が4期16年の長期政権でした。長期政権だと自分がやった政策をやめることは自己否定となりがちです。なので、これまでの政策の見直し(行財政改革)をしにくいんです。

自分が建てた公共施設には愛着があるから壊しにくい、役所内の権力を完全に把握できてしまうので忖度が働き、改革をしにくい雰囲気になりやすいというのもあります。

また、「少子高齢化」の影響で、福祉にかかるお金、いわゆる扶助費もどんどん増えています。

さらに、碧南市の特別事情としては、市が運営する病院の赤字も大きな支出となっています。これは市民病院の収支グラフです。

見ての通り、赤字が続いていて、市が補填するお金が大幅に増えてしまっています。病院を持つ自治体は厳しい病院経営事情になっているとよく外の首長さんから聞きます。

収入が減少

「でも、お金持ちなんだから、税収も多いんでしょ?」

と思いますよね。はい、こちらをご覧ください。確かに、これまでの税収は非常に好調でした。ですが、2つ目の原因。それは、

「これから入ってくるお金(収入)が減るかもしれない」

という大きなリスクです。碧南市の資料によると、「アメリカの関税政策の影響」などで、市の主要な産業(※自動車関連など)からの税収(=法人市民税)が、将来的に大幅に減ってしまうと予想されているんです。つまり、

「出ていくお金は増える一方なのに、入ってくるお金は減るかもしれない」

これが、碧南市が直面している現実なんです。

衝撃の未来!貯金がマイナスになる?

では、このままだとどうなるのか。それは「貯金(財政調整基金)が底をつく」という未来です。これが一番衝撃的です。見てください。

市の「貯金」にあたるのが財政調整基金です。令和5年度には59億円あった貯金が、物価高騰や病院への支出で急激に減っていき…令和9年度には、ついに「マイナス7億円」…

マイナス、ですよ。貯金が尽きてしまうと、借金をしないと予算が組めなくなってしまうということです。これが「非常事態」の正体です。

他人事ではない

皆さん、かつて財政破綻した「夕張市」のことを覚えていますか?夕張市が破綻した結果、公共料金が何倍にも跳ね上がり、住民サービスが極端に切り詰められ、日本一低い水準と言われるほどになりました。

碧南市が今「非常事態宣言」を出したのは、「第2の夕張」になってしまうのを避けるため、未来の子供たちに借金を残さないために、今、手を打つという「英断」ともいえます。

具体的には、先ほどお話しした「公共施設」の統廃合・複合化や、住民サービスの見直しなど、住民の皆さんにも痛みを伴う改革が必要になってきます。

そして、これはどの自治体でも他人事ではありません。「お金持ち」の碧南市でさえこうなったんです。物価高騰、人件費の上昇、少子高齢化、公共施設の老朽化…これは、日本中の自治体が抱えている共通の課題です。

武豊町も同じ状況

ぜひこの動画をきっかけに、皆さんもご自身の街の財政状況や、公共施設の計画がどうなっているか、一度チェックしてみてください。未来の街を守るために、私たち一人ひとりが現実を知り、考えることが、今、本当に大切になっています。

このように碧南市のようにお金持ちの自治体、不交付団体であっても、財政危機になってしまう時代なんです。実は…武豊町もお金持ちの自治体だと思われているけど、碧南市と同じで財政危機なんです。

別の動画で説明していきますので、ぜひチャンネル登録して見てくださいね。最後までご視聴いただき、本当にありがとうございました。

参考ページ

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町長
詳細プロフィール

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