政治に若者の意見が反映されない理由は?武豊町の意見反映率を計算してみた
政治に若者の意見が反映されないと言われます。若者の投票率が低いことも理由ですが、統計データから武豊町の意見反映率を計算してみると、若者の意見が反映されにくい理由がわかります。
*最新データは「若者ほど投票に行くべき理由!未成年に投票権はなく若者は少ないので全力投票しても意見が反映されにくい!」を参考にしてください。
意見反映率とは
意見反映率とは、「年代別の投票数÷投票数の合計」のことです。人口ベースで考えるより、投票数ベースで考えることで、若者の意見がどれくらい反映されているか把握しやすくなります。
政治に若者の意見が反映されない理由
国全体だと数が多すぎてイメージしにくいので、人口約43,000人の武豊町の意見反映率を計算してみました。
若者の投票率が低い
武豊町の投票率は公開されていないので、愛知県の平成28年の第24回参議院選挙年齢別男女投票率を投票率として利用しています。
年代 | 投票率 |
---|---|
18・19歳 | 54% |
20代 | 37% |
30代 | 45% |
40代 | 52% |
50代 | 60% |
60代 | 67% |
70代 | 70% |
80代以上 | 44% |
若者の投票率は低い傾向にあります。18、19歳は初めての選挙ということもあり、投票率は高いことが多いです。
しかし、20代になると急激に投票率が下がります。30代になると投票率は徐々に高くなっていきますが、50代以上の投票率に比べると低い状態です。
若者の意見反映率が低い
さきほどの投票率と、「武豊町の字別人口・年齢別人口ページ」にある「令和5年1月の人口」を利用して、意見反映率を計算してみましょう。
20代までの意見反映率は約12%、30代までの意見反映率は約23%しかありません。40代までの意見反映率でも、約39%しかないのです。一方、50代以上の意見反映率は約61%となっています。
日本では選挙権がもらえるのは18歳以上のため、武豊町だと約7,100人の18歳未満の子供の意見が反映されません。
しかし、どれだけ子供がいても、親の票は1票です。子供の数だけ親が投票できるのであれば、子供の数が多い親の意見ほど反映されやすくなるのに。このような選挙の仕組みからも、若者の意見は反映されにくいわけです。
100%投票しても、若者の意見は反映されにくい
また、仮に各年代の投票率が100%になった場合でも、20代までの意見反映率は約16%、30代までの意見反映率は約30%しかありません。
40代までの意見反映率でも、約46%しかありません。若者ほど投票に行かないと、不利になってしまうわけです。
議員の平均年齢が高い
議員の平均年齢が高いと、議員の年齢に近い意見が反映されやすくなる傾向にあります。自分の年齢によって、政治のプライオリティは変わってくるからです。
2019年の武豊町議会議員の平均年齢は「60.8歳」となっています。
感想
愛知県や武豊町の統計データを利用して、意見反映率を計算してみると、若者の意見が反映されない選挙構造があるなとわかりました。
いろんな統計データを組み合わせることで、本当の政治の姿が見えてくることがあります。
ただし、実際には、エリアの投票率、年代別の人口によっても、若者の意見反映率は変わるので、武豊町の参考データとして考えてくださいね。