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政治に若者の意見が反映されない理由は?武豊町の意見反映率を計算してみた

2023年03月28日 更新2023年03月28日 公開

政治に若者の意見が反映されないと言われます。若者の投票率が低いことも理由ですが、統計データから武豊町の意見反映率を計算してみると、若者の意見が反映されにくい理由がわかります。

意見反映率とは

意見反映率とは、「年代別の投票数÷投票数の合計」のことです。人口ベースで考えるより、投票数ベースで考えることで、若者の意見がどれくらい反映されているか把握しやすくなります。

政治に若者の意見が反映されない理由

国全体だと数が多すぎてイメージしにくいので、人口約43,000人の武豊町の意見反映率を計算してみました。

若者の投票率が低い

武豊町の投票率は公開されていないので、愛知県の平成28年の第24回参議院選挙年齢別男女投票率を投票率として利用しています。

年代 投票率
18・19歳 54%
20代 37%
30代 45%
40代 52%
50代 60%
60代 67%
70代 70%
80代以上 44%

若者の投票率は低い傾向にあります。18、19歳は初めての選挙ということもあり、投票率は高いことが多いです。

しかし、20代になると急激に投票率が下がります。30代になると投票率は徐々に高くなっていきますが、50代以上の投票率に比べると低い状態です。

若者の意見反映率が低い

さきほどの投票率と、「武豊町の字別人口・年齢別人口ページ」にある「令和5年1月の人口」を利用して、意見反映率を計算してみましょう。

武豊町の意見反映率

20代までの意見反映率は約12%、30代までの意見反映率は約23%しかありません。40代までの意見反映率でも、約39%しかないのです。一方、50代以上の意見反映率は約61%となっています。

日本では選挙権がもらえるのは18歳以上のため、武豊町だと約7,100人の18歳未満の子供の意見が反映されません。

しかし、どれだけ子供がいても、親の票は1票です。子供の数だけ親が投票できるのであれば、子供の数が多い親の意見ほど反映されやすくなるのに。このような選挙の仕組みからも、若者の意見は反映されにくいわけです。

100%投票しても、若者の意見は反映されにくい

武豊町の意見反映率100%

また、仮に各年代の投票率が100%になった場合でも、20代までの意見反映率は約16%、30代までの意見反映率は約30%しかありません。

40代までの意見反映率でも、約46%しかありません。若者ほど投票に行かないと、不利になってしまうわけです。

議員の平均年齢が高い

議員の平均年齢が高いと、議員の年齢に近い意見が反映されやすくなる傾向にあります。自分の年齢によって、政治のプライオリティは変わってくるからです。

2019年の武豊町議会議員の平均年齢は「60.8歳」となっています。

感想

愛知県や武豊町の統計データを利用して、意見反映率を計算してみると、若者の意見が反映されない選挙構造があるなとわかりました。

いろんな統計データを組み合わせることで、本当の政治の姿が見えてくることがあります。

ただし、実際には、エリアの投票率、年代別の人口によっても、若者の意見反映率は変わるので、武豊町の参考データとして考えてくださいね。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
IT・Web会社の社長
詳細プロフィール

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