農地ナビの使い方と上手な農地の探し方
農地の情報って全然出てこないので、どうやって農地を探せばいいかわからないですよね。そんなとき、市の農業担当者から農地ナビについて教えてもらいました。
農地ナビは使い方をマスターすると便利です。農地ナビの上手な使い方、農地ナビを利用した上手な農地の探し方をご紹介します。
農地ナビとは
農地ナビとは、市町村や農業委員会が管理している農地情報を見ることができる便利なサイトです。正式名称は「eMAFF農地ナビ」で、農林水産省が運営しています。
農地ナビのメリット
農地の場所や面積がわかる
農地ナビを使うと、農地の場所がわかります。地図上に農地の○が表示され、大まかな土地の計上もわかります。あの荒地も農地だったんだと気づいたりします。所在・地番の住所までわかるのはすごいです。
また、農地の面積がわかるのもメリットです。農家になるために一定の広さを確保しないといけない場合や、栽培したい作物に合わせて面積の目星をつけることができます。
所有者もわかる
これが一番のメリットなんですが、気になる農地の○をクリック(タップ)して、「基本的事項」の中にある「耕作者整理番号」で「色分け」ボタンをクリックすると、その所有者が所有している複数の農地を地図上で知ることができます。
ただし、地図で目視確認をしないといけないのが面倒です。「耕作者整理番号」で絞り込み検索できると最高です。
同じ所有者が近場で複数の農地を所有していることも多いので、買ったり借りたりするときの手続きが減るので便利です。また、まとめて農地が借りやすくなります。
ただし、農地の所有者って旦那さんと奥さんで分かれていることもあるので、世帯ごとにわかれば最高ですwそこまでデータを紐づけるのは大変かw
貸借情報もわかる
貸借権の情報がわかるのも便利です。ここは貸し借りしているんだとわかれば、無駄な交渉をしなくてもすみます。また、貸借権が終わったら、借りれそうな農地かどうかも判断しやすくなります。
農地ナビのデメリット
基本的事項データに気づきにくい
基本的事項のデータは最高なのに、基本的事項データに気づきにくいデザインになっています。PCだと左サイドメニューとして、デフォルトで表示されています。
しかし、スマホだとこの基本的事項が隠れてしまっています。ヘッダーの検索バーの左にある「<」をクリックしないと、基本的事項データが表示されないのです。
かといって、基本的事項データを見ると、肝心の地図が見えにくくなってしまいます。
スマホユーザーだと基本的事項データは見落としてしまう人が多いと思うので、このあたりのUI・UX改善が必要です。
*使い方をマスターすれば、スマホでも簡単に農地情報探せるようになります。PCのほうが画面が大きいので探しやすいです。
条件検索に気づきにくい
条件検索が使いにくいのもデメリットです。農地はなるべく近場でまとめたいので、同一エリアで探すことが多いです。
しかし、このエリア検索ができる「条件から検索」があることに気づきにくいのです。私もこれに気づくまで時間がかかりました。PC、スマホともに右上のトグルメニューにしかないのです。
このページまでいけば、「所在・地番」から狙っているエリアの農地情報を一覧で見ることができます。
字単位で農地情報を一覧表示できるのは便利です。エリア情報が地図検索からも遷移できるようにすれば、すごく便利になると思います。
最新の情報とは限らない
最新の情報とは限らないことにご注意ください。農業課のIT化が進んでいるエリアだと、最新の情報が反映されやすい傾向にあります。
所有者の意向がわかりにくい
「所有者の農地に関する意向」を見ると、所有者が土地を貸したいのか、売りたいのか、それとも、自分で耕作したいかなどがわかります。ただし、非公表になっていることが多い傾向にあり、意向がわからないので交渉はしづらいです。
市街化区域の農地情報はわからない
私が住んでいるエリアでは、市街化区域の農地情報まではわかりませんでした。市街化調整区域や農用地区域の農地情報がわかります。
検索バーが使いにくい
地図検索には検索バーがあります。しかし、検索バーが字情報を入力しても、該当のエリアがサジェスト表示されることは少ないです。
データベースには字情報があると思うので、高い精度でサジェスト表示させると、より使いやすくなるかと思います。
地図検索で迷いやすい
検索バーが使いにくいので、地図検索でひたすらドラッグして農地情報を探すことになります。しかし。地図検索をしていると迷子になりやすいです。
あくまで農地の情報を主体にしているので、今表示している地図の場所がどこなのかわかりにくいのです。
とはいえ、住所を表示させると情報が混在するので、それはそれでわかりにくくはなります。市街化区域の字情報とか表示させるくらいが、落とし所のように思っています。
上手な農地の探し方
農地ナビはすごく便利なサイトだなと思っています。実際に、果樹を植えてもよい遊休農地を探すときに便利でした(果樹を植えてもいい農地探しは大変なのです)。
ただし、農地ナビは使いこなすまでに時間がかかります。私はIT系の仕事をしているので、いろんなシステムを触っています。それでも、農地ナビの真価を知るまでには、結構な時間がかかりました。
最近、ようやく農地ナビを使いこなせるようになったので、農地ナビを利用した上手な農地の探し方をご紹介したいと思います。
1. 希望するエリアを現地調査する
農地を探している人は、希望する農地エリアがある程度決まっているかと思います。まずは、希望する農地エリアを現地調査してみましょう。そして、ある程度この農地がいいと目星をつけておきましょう。
2. 遊休農地を見つける
現在も耕作をしている農地は、貸してもらえない可能性が高いです。なので、遊休農地を中心に交渉するのがおすすめです。草ぼうぼうになっている農地や、あきらかに草刈りしかしていないような遊休農地を見つけましょう。
3. 農地ナビで農地情報を調べる
希望する農地が見つかれば、農地ナビで農地情報を調べてみましょう。
現地でスマホ利用できるのであれば、基本的事項データまで現地でチェックしましょう(地図なので速度制限に注意)。農地の面積、貸借状況、農地所有者の他の農地などがわかります。
初見で使いこなすのは難しいと思われるので、家である程度使いこなしておくことがおすすめです。なんだかんだ、ある程度目星をつけてから、家でゆっくり探すのがおすすめです。
*1~3の工程は3→2→1の順番でも問題ありません。農地ナビを使っていると、農地探しが楽しくなってくるので、私はいろんなエリアの農地を探しました。
4. 交渉する
あとは地主さんと交渉するだけです。市区町村の農地担当の人にアタックしてもらうもよし、農家の人が現地にいれば直接話しかけてみるもよしです。
このあたりは、エリアや市区町村によって交渉スタイルは変わります。断られてもめげずにがんばりましょう。いずれ道は開けるはずです。
感想
農地ナビはかなり便利なサイトです。ただし、直感的に使いにくいので、その真価がわかりにくいことだけが、唯一のデメリットです。
今後、農地データをもっと集約して、市区町村のIT化を推進していけば、農地情報は検索しやすくなると思います。ただし、太陽光発電業者が悪用するのだけはやめてほしいですね。これ以上農地に太陽光パネルはいらん。