71,314→1,718まで市町村激減?令和の大合併するべき?明治・昭和・平成の大合併の歴史から考察
71,314→1,718まで市町村は激減?令和の大合併はするべき?明治・昭和・平成の大合併の歴史から考察してみました!
日本の市町村数は?北方領土も含めると?
日本の市町村数は、市が790、町が745、村が183で、合計1,718市町村あります。北方領土の6村を含めると1,724となります。
日本の市町村数の推移は?
では、今の日本の市町村数は多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?市町村数の推移を見てみましょう。
1888年:71,314
↓
2014年:1,718
まで市町村数は合併されています。
三大合併で市町村数はどれだけ減った?
歴史からも「令和の大合併は必要」と考察することはできそうですが、三大合併について知る必要があります。
71,314→15,859!明治の大合併とは?
1888年には市町村数は、71,314ありました。1889年には15,859まで減っています。「明治の大合併」です。
総務省によると近代的地方自治制度である「市制町村制」の施行に伴って、教育、徴税、土木、救済、戸籍の事務処理などの行政上の目的に合った規模と自治体としての町村の単位を、江戸時代から引き継がれた自然集落との隔たりをなくすために、町村合併標準提示に基づき、約300~500戸を標準規模として全国的に行われた町村合併のことです。結果として、町村数は約5分の1まで激減しました。
9,868→4,668!昭和の大合併とは?
次に、1953年には市町村数が9,868ありました。1956年には4,668まで減っています。「昭和の大合併」です。
総務省によると、戦後、新制中学校の設置管理、市町村消防や自治体警察の創設の事務、社会福祉、保健衛生関係の新しい事務が市町村の事務とされ、行政事務の能率的処理のためには規模の合理化が必要とされました。
昭和28年の町村合併促進法の第3条には「町村はおおむね、8000人以上の住民を有するのを標準」とあります。さらに、昭和31年の新市町村建設促進法により、「町村数を約3分の1に減少することを目途」とする町村合併促進基本計画の達成を図ったものです。
約8000人という数字は、新制中学校1校を効率的に設置管理していくために必要と考えられた人口数です。昭和28年から昭和36年までに、市町村数はほぼ3分の1まで減少しました。
3,229→1,727!平成の大合併とは?
最後に、1999年には市町村数が3,229ありました。2010年には1,727まで減っています。「平成の大合併」です。
東京一極集中が進み、公共サービスの担い手として、市町村に対する負荷が増大してきました。
さらに、これまでのような右肩上がりの経済成長が期待できずに人口減少、少子高齢化が進み、国・地方を通じた巨額の債務等の深刻な財政状況下において、複雑・多様化する住民サービスを提供しなければならず、市町村を取り巻く環境はどんどん厳しくなってきました。
そのため、平成11年から平成22年にかけておこなわれた、政府主導の大規模な市町村合併です。当時の与党は1,000を目標にしていたそうです。将来を見据えた攻めた数字だなと思います。
人口減少で採用が難しい…令和の大合併は必要か?
ここで、令和の大合併は必要なのか考えてみましょう。考えてほしいのが人口減少問題です。高市早苗総理も日本最大の問題は人口減少と言っています。
約1億2千万人いる人口が、2070年には約8,700万人まで減少すると予測されています。現役町長として行政経営をしていると、これまでと同じ自治体の単位での行政運営は難しくなると感じています。
まず、人口減少すると採用がさらに難しくなります。AIが進化すればいいですが、それはまだ先の話です。AIを活用できる体制にするには、AIの専門人材も必要です。
しかし、小さな自治体でAIの専門人材を採用するのは非常に難しいです。そういったときに市町村合併をすれば、専門人材も採用しやすくなるわけです。広域で人材シェアリングという方法もあるでしょう。
税収減少でも公共施設維持費は高騰…令和の大合併は必要か?
また、人口減少すれば、税収は減ります。その一方で、物価高による建設費の高騰、人件費の高騰で公共施設の維持費は高騰しています。行政運営にかかる費用はどんどん高くなっています。
かといって、Aの自治体にある公共施設を、Bの自治体だけ廃止することは、住民感情を考えると簡単にできるものでもありません。
だから、自治体単独であれば、公共施設の複合化、公民連携のまちづくりなど進める必要があります。民間企業と連携しながら新しいまちづくりをしていくのです。これまでより便利な行政サービスを提供しながら、維持費を下げていくという考え方です。
しかし、人口減少が進んでいくと、今の自治体の単位ではどうしようもできない自治体が出てきます。だからこそ、令和の大合併が必要なときは近い将来に来るでしょう。
市町村合併より広域化が現実的
しかし、市町村合併すれば行政コストが下がることは頭ではわかるけど、自治体合併は口でいうほど簡単なことではありません。今まで慣れ親しんでいた自治体名が消えることは、簡単に住民が納得できることではないんです。
そして、簡単に合併できない現実的な理由もあります。財政豊かな自治体は、財政が厳しい自治体と合併するのを嫌がります。これまで黒字だった会社が、赤字の会社を合併することになるからです。
ぶっちゃけ、令和の大合併は「国の大号令」がなければ難しいです。平成の大合併で周辺部がさびれてしまった自治体もあります。平成の大合併以上の支援、そして、国の大方針がなければ、自治体は簡単に手を出すことができないんです。
市町村合併も見据えながら広域化、いわゆる、広域連携していくことが、今の自治体では現実的です。1自治体で公共施設を運営するよりも、複数の自治体で公共施設を運営するんです。
武豊町もゴミ施設を2市3町で運営しています。こうすることで自治体単独でゴミ施設を運営するよりも、運営費用が安くすることができるわけです。
ただ、広域化も言うほど簡単にできるものでありません。自治体ができることには限界があるので、人口減少問題が表面化したら、国が大方針を出すときが来るのかなと思います。
現状維持は破綻の道?時代に合わせた変化が必要
人口減少は地方自治体に大きな影響を与えており、これから様々な課題が出てくるでしょう。
だからこそ、自治体単独では、公共施設の複合化、公民連携のまちづくりを進めていき、維持費を下げる努力が必要です。
また、複数の自治体では公共施設や公共サービスの広域化を進めて、維持費を下げる努力が必要です。
現状維持は破綻への道です。これからも持続可能な自治体にするためには、時代に合わせた変化が必要です。
今回の動画で何度が出てきた「公民連携のまちづくり」はわかりにくい概念なので、今後の動画で詳しく解説していく予定です!お楽しみに!
とば ひさし