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双子(多胎児)の子育て支援の強化に向けて

2023年06月16日 更新2023年06月07日 公開

双子(多胎児)の子育て支援に関する一般質問を行いました。主な政策である「頼る家族がいなくても、子育てしやすい武豊町」を実現するためです。

*2023年6月6日に開催した、武豊町議会令和5年第2回定例会の一般質問です。

質問の目的

子育て負担の大きい双子の子育て支援を強化するために、現在武豊町で利用できる双子の子育て支援サービスと、実際に想定している利用方法を整理したいと考えています。

また、現状の双子の子育て支援サービスだけでは、サポートできていない課題に対する支援サービスを強化していきたいです。そこで、以下の質問を行います。

3歳までの双子は何組いるか?

本町の0歳から3歳までの双子・三つ子は、令和5年4月1日現在、年齢ごとに何組いますか?

回答

健康課が把握する母子健診用のデータによりますと、令和5年4月1日現在、本町の双子は、0歳が4組、1歳が6組、2歳が5組、3歳が8組、合計23組であります。なお、3歳までの子で三つ子以上の多胎児はおりません。

双子の支援サービスは何があるか?

現在、双子・三つ子向けの子育て支援サービスは、具体的にどのようなことがありますか?

回答

双子や三つ子など、いわゆる多胎児向けの、主なサービスと致しましては、2点の事業に取り組んでおります。

1点目は、「双子ちゃんの会」の開催であります。これは、多胎児の保護者同士が語り合う機会を、提供するもので、子育て世代包括支援センターの専門職が立ち会い、支援を図る事業であります。

対象となるのは、多胎児を育てる家庭と、多胎児を出産する予定の妊婦で、保健センターにおいて月に1回の開催を、令和5年1月から始めております。参加者には、情報交換や育児の苦楽をともに分かち合える場として、好評を頂いております。

2点目は、「子育て支援ヘルパー派遣事業」であります。これは、妊娠期や育児期における家事と育児の援助として、子育て支援ヘルパーを、それぞれの家庭に派遣する事業であります。

多胎児を育てる家庭は、1回2時間、月30時間まで、1時間につき256円で、ヘルパーを利用できます。なお、それ以外の子育て家庭につきましても、妊産婦の体調不良など、要件が適合していれば、利用対象となります。

その他、多胎児に限らず、子育て家庭の方が利用できる支援と致しましては、「オンライン育児相談」、子育て経験のあるボランティアの「家庭訪問型子育て支援事業」、家庭での育児が一時的に難しい場合の「子育て短期支援入所事業」などもご利用頂くことができます。

多くの事業は、多胎児の世帯に限らず、孤独を抱え、育児負担が軽減できるための子育て支援事業として実施しており、様々な世帯のニーズに合った支援をしてまいりたいと考えております。

再質問1

様々な支援策があることをご答弁頂きましたが、「子育て支援ヘルパー派遣事業」や「家庭訪問型子育て支援事業」について、双子支援として、具体的にはどのようなサービス提供をしているのでしょうか?

回答

「子育て支援ヘルパー派遣事業」では、ヘルパーによる洗濯や掃除、食事づくりなど、主に家事援助の要望があります。

時間のない多胎児世帯に対しては、食事を多めに作り、2食に分けることや、電子レンジで温めるだけに準備するなど、工夫をしております。

「家庭訪問型子育て支援事業」では、研修を受けたボランティアが、親御さんの話を聴いたり、買い物や健診など外出に付き添ったりしながら、一緒に家事や子育てを支援しております。

*どんなサービスなのかわかりにくいので、具体的な活用方法を知ることで使ってみたいと思う子育て世帯が増えると思い、この再質問を行っています。

再質問2

多胎児世帯だけでなく、共働きで子育てをしている全ての世帯での問題にもなりますが、子どもが病気になってしまい、近くに頼れる家族がいない場合に、現時点では、保護者が仕事を休んで看病をすることになります。

病児保育、病後児保育について、どのように考えていますか。

回答

「病児保育」は、病気にかかっている子どもを、「病後児保育」は、病気の回復期で、まだ集団保育が難しい状態の子どもを、それぞれ預かる支援であります。

いずれの支援におきましても、個別の保育が必要になることから、医師、看護師、保育士などの専門職や保育場所の確保が課題となって参ります。

また、子どもの体調や疾患の特性に応じた、緊急時の対応や子どもの安全面などについても、慎重に進める必要があると考えております。

再質問3

子育て中の世帯にとっては、「病児保育」と「病後児保育」の2つとも実施することが理想だと思いますが、どちらか一方からでもできるところから実施することはできないでしょうか?

回答

子どもの安全面を最優先した上で、本町の体制で実施できる方法について、調査研究して参りたいと考えております。

双子世帯の保育料の負担軽減施策は?

双子世帯の場合における、保育料の負担軽減対策はどのようになっていますか。

回答

双子世帯における、0歳から2歳までの保育料にかかる負担軽減につきましては、国の制度に基づくもので、兄弟のいる多子世帯と同様の扱いとなっております。

この制度では、世帯の所得状況や子どもの数などに応じて、扱いが異なり、町民税非課税世帯は、第2子目以降の保育料は無料であります。

それ以外の世帯につきましては、所得額により条件が加わる場合がありますが、第2子目の保育料が半額、第3子目以降は無料となります。

再質問1

双子世帯は、経済的負担が重なってしまうため、保育料の更なる減額については、どう考えていますか?

回答

双子などを養育する多胎児世帯は、様々な面で育児負担が大きいであろうと、推察されます。しかしながら、3歳以上の子どもに対する保育料は、国の施策により、既に無償化されております。

2歳児未満に対しましても、さきにご答弁申し上げましたように、兄弟のいる多子世帯と同じく、経済的負担の軽減策が取られている状況にある、と判断しております。

従いまして、本町の保育料につきましては、公平性も鑑み、国の施策に基づいた取り扱いとさせて頂いており、双子世帯だけの減額は、現在のところ考えておりません。

なお、多胎児世帯に対しましては、当事者へのヒアリングなどにより困りごとを把握した上で、別の側面から支援の方法を探って参りたいと考えております。

再質問2

公平性も重要ですが、独自性のある子育て支援施策も重要だと考えます。他市町で実施されていない双子の保育料無償化をアピールすることで、他市町と比較して子育てに取り組んでいる武豊町を効果的にアピールすることができます。

双子向けの保育料無償化が難しいのであれば、双子向けの特別支援として、双子向けのベビーカーやチャイルドシートの提供などは、今後検討していくことはできるのでしょうか?

双子向けのベビーカー

回答

ご提案いただいた支援策も、今後検討していきたいと考えてまいります。

締め文

双子の数は0~2歳までで、約1,000人のうち15組で30人です。子供の数は双子でも2人ですし、手のかからない年齢の離れた子どもでも2人です。2人という子どもの数は、統計上の数字としては同じかもしれません。

しかし、0歳の双子を同時に育てるのは大変なことです。両親の助けがなければ、どうしようもないという声を聞きました。近くに親がいなければ、行政しか頼れるところはありません。

一般家庭よりも子育て支援をより必要とする傾向にある、双子世帯を支援することができなければ、誰ひとり取り残さない武豊町を作ることは難しいと考えます。

本当に困っている双子世帯の子育て支援ができるからこそ、全体の子育て支援も解決できると思います。少しずつ解決を進めていくことで、子育てしやすい武豊町になれると考えております。双子世帯ならではの子育て支援を、ぜひご検討ください。

今後の進捗確認

については今後もタイミングを見て、一般質問をしていきたいと考えております。

感想

今回、双子世帯の子育て世帯を一般質問した理由としては、私の周囲には双子世帯が多く、

「保育料が高い」
「2人同時に子育てをすると大変」
「病気になるとどうしようもない」
「子育て支援を受けたくても、外出する気になれない」

といった、双子世帯ならではの子育ての悩みをよく聞くからです。双子世帯の親の負担は、非常に高いと感じています。

そして、私が一番必要だと考える子育て支援である「気軽に子どもを預けられる」を実現するには、双子世帯の子育て支援などさまざまな課題を解決する必要があります。

そのため、子育て支援をより必要とする世帯、直近で解決できそうな課題を中心に、一般質問を行っていこうと考えています。

少しずつ改善を進めていき、武豊町がもっと子育てしやすい町になっていけばと願います。

著者

とばひさし とば ひさし
武豊町議会議員
IT・Web会社の社長
詳細プロフィール

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